きょうだいバトル勃発! お手伝いを奪い合う「ウチの子のナゾ」

「なぜ?」と感じる、ちょっと気になる、うちの子の不思議な行動や気質……etc.その世界の専門家に聞くシリーズ第34回。

げんき編集部

お手伝いがきっかけでバトルに!
「うちの姉妹はふたりともお手伝いに積極的なのですが、どっちがやるかケンカになります。『もう1人は違うことを手伝って』と言っても2人とも『やだ! これがやりたい!』と取り合い、さらにケンカがヒートアップしてしまいます」(2歳、4歳・女の子)

「チームを作りましょう」

お子さんが2人ともお手伝いをしたがるなんて、ある意味とても幸せなお悩みかもしれませんね(笑)。心理学では「カインコンプレックス」という言葉があり、これは兄弟姉妹間で親の愛情や注目を、相手よりも多く得たいと競争心や嫉妬心が生まれることを言います。

家族中心の幼児期は、兄弟姉妹がつねにライバル。子どもは親からの自分への愛情を確信したいと思うところが強く、そのために、親の愛情を取り合うことは自然なことです。ですから、いかにそれぞれがいがみ合うことなく、いずれもが自分は愛されている、と安心できるように、親が関わってあげられるか、ということになります。

この姉妹もお手伝いを通して親に良いところを見せたい、親が喜んでくれることをしたいと競い合っているようです。親としてもお手伝いをしたいという子どもの気持ちはありがたいし、どちらの希望も叶えてあげたいですね。2歳と4歳は、それぞれに見合ったお手伝いを頼まれているんだと判断する力が弱いので、「隣の芝生が青く見える」じゃないですが、ほかのきょうだいが頼まれていることのほうが良いと思いがちです。
きょうだいがライバルになることは自然
そこで、ひとりずつ違うことを手伝うのではなく、姉妹ふたりをチームとしてお手伝いができるような提案をしてはいかがでしょうか?

洗い物のお手伝いだったら、洗う係と拭く係でもいいですね。ふたりとも「洗う係がいい!」というならば、「お皿は重いからお姉ちゃん、妹ちゃんはお茶碗ね」などでもいいと思います。

「ふたりでいっしょにやる」「ふたり交代でやる」「ふたりで分担する」など、方法はなんでも良いのですが、それぞれがお手伝いするのではなく、あくまでふたりチームとしてお手伝いをしてもらいます。

親御さんも「2人で一緒にやってくれたから、こんなに早くできたね。○○ちゃんありがとう。□□ちゃんもありがとう! 2人にやってもらえてうれしい」と、しっかり言葉にして伝えてみてください。そのときに、一人一人の名前も言って誉めてやりつつ、「2人でできた」という経験も強調してください。

姉妹がライバルではなくチームの相棒になることの大切さに気づいていけると良いですね。そうなると、親御さんにとっても嬉しいですね。
子どもの発達心理学の専門家
渡辺 弥生先生
イラスト/とやま ちさと 取材・文/久世恵美
写真:kai/PIXTA(ピクスタ)
『うちの子のナゾ』は、1・2・3歳のこども雑誌『げんき』で絶賛連載中!
げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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