「同じじゃないといや!」2個買わないとだめ? 物をめぐるきょうだいげんか【うちの子のナゾ】

「なぜ?」と感じる、ちょっと気になる、うちの子の不思議な行動や気質……etc.その世界の専門家に聞くシリーズ第36回。

げんき編集部

とにかくお姉ちゃんと同じものが欲しい……
「2歳の男の子です。6歳の姉がいるのですが、下の子が姉と同じものを欲しがります。取り合いでけんかばかりするので、同じものを2個ずつ購入せねばならないことも……。4歳も離れているのにお互い張り合っていて、しんどくなります」(2歳・男の子)

「張り合っているのではなく、本能的な感情」

結論からいうと、基本的には同じものを2個買うのがいいのではないかな?と思います。

違うものを渡して、2歳のお子さんが「僕にはこのおもちゃがちょうどいいね」、6歳のお姉ちゃんが「○○ちゃんがそっちなら、私はこっちのおもちゃでいい」などと、お互いバランスをとるはずはありません。2人ともまだ子ども。親が期待しているようなやりとりは難しい年齢なのです。

「女の子向けのものだからお姉ちゃんのものね」というのは大人の考えで、弟さんも「同じものが欲しい」というのは不思議ではありません。

たとえば大人の場合でも、隣の人がアイスをもらったら、それまで自分はアイスを食べたいなどと思っていなくてもなんとなくほしくなりますね? それと同じです。きょうだいだから張り合っているのではなく、自分が欲しくないものでも、お姉ちゃんがもらって嬉しそうにしているから欲しくなる。人間の本能的な感情なのです。
けんかになるくらいなら、同じものを与えましょう
ですので、特別高価なものでなければ同じものを2つ買ってはいかがでしょうか? もし色違いで買うならば、それぞれに選ばせるなど、子どもがどうしたいかを尊重したほうがいいと思います。

親はつい、「別々のものをあげたほうが、結局いっしょに遊ぶのだから2倍遊べる」などと考えますが、子どもはそれを望んでいないこともあります。

けんかの火種になるくらいであれば、同じものを2個あげたほうがみんなが穏やかに過ごせるのではないでしょうか?
子どもの発達心理学の専門家
渡辺 弥生先生
イラスト/とやま ちさと 取材・文/久世恵美
写真:TATSU/PIXTA(ピクスタ)
『うちの子のナゾ』は、1・2・3歳のこども雑誌『げんき』で絶賛連載中!
げんきへんしゅうぶ

げんき編集部

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki

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