アンテナが電波をつかまえて、電気信号に変え、テレビに送るから、わたしたちはテレビを見ることができるのですね。
アンテナが電波をキャッチするしくみ
たくさんならんでいるみじかいトゲは、電波を引き寄せるはたらきをします。
みじかいトゲのうしろのちょっと長めの横ぼうが電波をキャッチするところ。ここで電波をつかまえ、信号に変えてテレビに送っています。
そして、いちばんうしろにある「くの字」についている6本のトゲが、とり逃がした電波を長めの横ぼうに向かって反射させる役目です。
トゲトゲアンテナは、電波を引き寄せて、反射させて、つかまえるためのかたちなのです。
電波の受信はちょっと方向がずれても悪くなるので、こまかいトゲがあるアンテナのかたちは、正しく電波の飛んでくる方向を見つけるのにも適しています。
電波のかたちでトゲの長さが変わる
このとき電波も、それまでVHFだったものはUHFに変わりました。
なぜUHF電波をキャッチするにはトゲトゲがよいのか。その前に、地デジの前に使われていたVHFアンテナはどんなかたちをしていたか見てみましょう。
いまでもたくさんの家の屋根に残っていますから、きっと見たことがありますよね。
アナログ時代のVHF電波は、波のかたちが大きくてとおくまで飛んでいける電波。でも、地デジのUHF電波の波のかたちは、ちいさくてとおくまではいけません。
VHFアンテナのぼうが長いのは、電波のはばが大きいからで、地デジアンテナのトゲがみじかいのは、UHF電波のはばがちいさいからです。
電波をうまくつかまえるには、電波を引き寄せること、電波を逃がさないこと、電波のかたちにトゲの長さを合わせることがだいじ。それで地デジのUHFアンテナは、あのかたちになりました。
でも、電波をしっかりつかまえるためには、実はもうひとつ電波のかたちに合わせる必要があります。
電波には垂直方向の波と水平方向の波がある
※電波が空間を伝わるときの波の向きのことを偏波といいます。地デジの電波には、縦方向の垂直偏波と横方向の水平偏波があります。
縦方向の波か横方向の波かは地域によって変わります。東京スカイツリーが発信する電波は横方向の送信方式ですが、送信所によっては縦方向の送信方式で発信しているところもあります。
アンテナを横にしたら縦の電波はキャッチできませんし、横の電波は縦にしたアンテナではキャッチできないのです。
だから、縦の電波はアンテナを縦にして、横の電波はアンテナを横にして屋根の上に立っています。
旅行したときには、屋根の上のアンテナが縦か、横かを見るのもおもしろいかもしれませんね。
人の目には見えない電波ですが、アンテナのかたちから電波のかたちが見えてくるような気がしてきませんか。
謎のこたえ トゲトゲが電波をキャッチしやすいかたちだから
テレビマガジン編集部
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga
日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga Instagram:@tele_maga