恐竜はお花見シーズンの「春」に絶滅したって本当? 意外なことからわかる大昔の季節

【ちょっとマニアな古生物のふしぎ】古生物学者・相場大佑先生が見つけた古生物のふしぎ

古生物学者:相場 大佑

現在のメキシコ南東部に位置するユカタン半島の熱帯の浅い海に激突する小惑星(ドナルド・E・デイヴィスによる)。描かれている翼竜はプテラノドン。
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みなさんはどの季節がいちばん好きですか? 僕はどの季節も好きですが、1番を選ぶならやっぱり春かもしれません。気温も暖かくなってきて、桜などの花も綺麗で、自然と心も軽やかになるものです。

恐竜や翼竜、アンモナイトなど中生代の生きものたちは、そんなウキウキしてしまうような春のある日に巨大な隕石が落ちて絶滅してしまったらしいことが2022年の研究でわかりました。
でも、一体何を調べたら、そんなことがわかったのでしょうか? みなさんもちょっと考えてみてください。

古生物学の研究にあまり詳しくない僕の妻にも同じ質問をして考えてもらったら、「お花見をしている恐竜の化石が見つかった」という答えが返ってきました。なかなかユニークな発想ですが、答えとしては残念ながらハズレです。

さらに他のアイディアはないかと聞いてみると……
「春にしか咲かない花が、隕石が衝突したときの地層から見つかった」
「夏毛の羽毛をもった鳥が見つかった」

など、より現実的な研究手法のアイディアが出てきました。それは結構良いかもしれない、と感心しました。しかし、残念ながら花も羽毛も化石にはなかなかなりにくいものです。

正解はもっと別のもの、化石としてはより見つかりやすいものを調べて、季節を明らかにしています。さて、それは何でしょうか?
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