「半水生昆虫」⁉︎ ヒメタイコウチは水生昆虫なのに陸上で獲物をおそう珍虫

【ちょっとマニアな秋の生きもの】昆虫研究家・伊藤弥寿彦先生が見つけた生きもののふしぎ

昆虫研究家:伊藤 弥寿彦

とても珍しい「半水生昆虫」⁉︎

『刺されたら激痛! 水生昆虫「タガメ」はマムシをも襲う危険なハンター』という記事(10月10日公開)で昆虫界の最強水中ハンター、タガメを紹介しました。愛知県で行ったタガメの調査のときに出会ったもう一つの水生昆虫が、珍種ヒメタイコウチです。
陸上でゴミムシを襲うヒメタイコウチ
タガメは、田んぼの用水路や池で見つかりましたが、ヒメタイコウチはかなり山奥の森の中にあるミズゴケが生える「湿地帯」にいました。大きさは、タガメよりずっと小さく2センチほど。 長靴を履いた足で、ジメジメとした湿地に入りミズゴケを踏んでいくと、中からノソノソと出てきました。

実はヒメタイコウチは、水生昆虫なのに、主に陸上で獲物を捕ります。写真(上)は、ゴミムシの仲間を襲っている瞬間。
ヒメタイコウチのいた湿地帯
ヒメタイコウチは、「半水生昆虫」というべき不思議な生態をもっているのです。日本では愛知県、三重県、兵庫県、香川県くらいでしか記録のない珍しい昆虫で、三重県では希少な種として保護されています。

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Ito Yasuhiko
自然番組ディレクター・昆虫研究家

1963年東京都生まれ。学習院、ミネソタ州立大学(動物学)を経て、東海大学大学院で海洋生物を研究。20年以上にわたり自然番組ディレクタ...