ワライカワセミは本当に笑うの? ワライカワセミの笑わせ方を専門家が教えます!

【ちょっとマニアな季節の生きもの】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

サイエンスライター:柴田 佳秀

ワライカワセミという鳥を知っていますか?

ワライカワセミ
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ワライカワセミとは、オーストラリアにいるカワセミのなかまで、ハトくらいあるけっこう大きな鳥です。

カワセミはとても美しい鳥のイメージがありますが、ワライカワセミは白と濃い茶色のまだら模様であまりきれいとはいえないかもしれません。ただ、翼には青い羽根があるのでここだけはきれいです。
ワライカワセミという名前がついていますが、本当に笑うんでしょうか?
じつは笑います。では、どうすれば笑ってくれるのでしょうか?

人間の場合は、一発ギャグを見せるとか、ダジャレを言うと笑いますね。試しに、東京の上野動物園にいるワライカワセミに一発ギャグを見せたのですが、まったく笑ってくれませんでした。

いったいなぜでしょう?

答えは日本語だったから。ワライカワセミにはワライカワセミ語があるので、日本語では面白さがわかってもらえなかったのです。
イラスト/柴田佳秀

笑っているのではなく、実は怒っている!?

じつは私、ワライカワセミ語が話せます。だからワライカワセミを笑わすことができます。本場のオーストラリアに行ったときにワライカワセミから習い、修行を積んできました。

「クヮッカッカカカカカ、ココココココ、カカカ、コカコカコカ、ココココ、カカコカカコ....」

これがワライカワセミを笑わす言葉です。うまく通じるコツは恥ずかしがらないで、大きな声で元気よく話すことです。私はよく上野動物園にいるワライカワセミに話しかけて、笑わせています。ケージの前で突然、大きな声を出すのですから、周りにいるお客さんはビックリしますが、上手く笑ってくれれば拍手喝采です。

じつはこれ、本当は笑っているわけではありません。それどころか怒っているのです。ワライカワセミは縄張り意識が強い鳥なので、鳴き真似をするとライバルが縄張りに入ってきたと勘違いして、出て行けと怒って鳴き返すのです。

ですから、本当はオコリカワセミなんですね。怒らせるなんてかわいそうと思う人もいるかもしれませんが、そう簡単にはうまくいかなないので、動物園でワライカワセミがいたら挑戦してみてください。

とにかく人目を気にせず、照れないでやること。これが成功の秘訣です。
写真提供/柴田佳秀
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しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。