スタッフインタビューで『ウルトラマンブレーザー』の秘密に迫る!
前編のこの記事では、おふたりの出会いと『ブレーザー』の企画の成り立ち、TSUBURAYA IMAGINATIONで配信している小柳さんが執筆された小説『擲命のデシジョン・ハイト ─ストレイジ創設物語─』について直撃します!
田口監督と小柳さんの出会い
おふたりはどういった流れでお知り合いになられたのでしょうか?
僕がとある作品のオファーを受けた際、「自衛隊や戦略などミリタリー系をしっかりやりたいので、そういったことに詳しい脚本家さんがいないか」とプロデューサーにお願いしました。そこで、紹介されたのが小柳さんで、そのときすでに『ひそねとまそたん』を手がけていたので、「そういう人なら間違いないですね」ということでお願いしました。
年齢も近いし、『平成ゴジラ』、『平成ガメラ』といった、好きな特撮映画のツボも同じだったので、最初に会った日から意気投合していましたね。そこからしばらく、二人三脚で脚本作業をしていたのですが、その作品は実現しませんでした。それ以降もプライベートでは仲が良かったのですけど、その後『ゾイドワイルドバトルウォーズ「ZOIDS WILD Eastern Front」』やジャグラス ジャグラー役の青柳尊哉さん主演の私の自主短編映画『UNFIX』などを手伝っていただきました。とくに『UNFIX』は、軍事的な装備の着付けなど、「何でも屋」状態で助けていただきました。
その後、いよいよ『ウルトラマンZ』の軍事考証で入っていただきました。「対怪獣特殊空挺機甲隊」というストレイジの正式名称をはじめ、ストレイジに関わる軍事的な名前をほとんど考えていただいています。「特空機」って言葉も、小柳さんですね。
『Z』の主要登場人物はかなり詳細な経歴や裏設定があるのですが、ちょうどコロナ時期に突入し撮影がストップしたタイミングで、リモートでお酒を飲みながらふたりでそのあたりを考えていましたね。
『Z』では、私は立ち上げからは参加していませんでした。『UNFIX』の撮影が終わり「さあ帰ろう」と思ったら、田口監督から「話があるんです」とファミレスに連れ込まれて(笑)。キングジョー ストレイジカスタムの設計図みたいなものを見せられて「これに名前をつけるとしたらなんだと思う?」と。最初はキングジョー ストレイジカスタムの各部所にミリタリー的な名前をつけるという相談を受けていたくらいだったのですが、そうこうしているうちに「もう埒が明かない」となり、現場に入っていました。
もう出来上がったメンバーのなかに放り込まれて、「ミリタリー的に突っ込みどころがあったら言ってください」と言われまして、ほぼ準備稿になりかけの脚本をガクブルで緊張しながら直させていただきました。2019年末から年明けくらいの時期でしたね。
吹原さんと足木さんとで小柳さんの車で『ウルトラヒーローズEXPO』を見に行って、そのまま円谷プロになだれ込んで打ち合わせしましたね。
この流れがあったので、『ウルトラマントリガー』でゼットの客演が決まると、ぜひ脚本を小柳さんにお願いしようと思いました。そうして完成したのが、『トリガー』第7話「インター・ユニバース」と第8話「繁殖する侵略」でした。この時点で、次にメイン監督になったら小柳さんとやろうと決めていましたね。
ヘビクラ隊長の過去を描いた『擲命のデシジョン・ハイト』
小柳さんが執筆された、ウルトラマンZの外伝小説『擲命のデシジョン・ハイト ─ストレイジ創設物語─』について教えてください
「TSUBURAYA IMAGINATION」で配信する小説として、『ウルトラマントリガー』第7話、第8話の脚本を書いているくらいのころ、『Z』のスピンオフ小説の発注を受けました。『Z』の仕事はすべて終わっていたタイミングでしたね。
『擲命のデシジョン・ハイト』なんてタイトルはこの人じゃないと書かないですよ(笑)。
うちの妻から「(専門的な用語が多く)難しすぎてちょっとよくわからない」と言われましたね(笑)。
ヘビクラ隊長の過去が明かされる内容でした
「ヘビクラという男が、ジャグラス ジャグラーにすり替わられる以前にも存在した」という設定はもともとありました。TSUBURAYA IMAGINATIONで外伝小説を掲載すること自体は円谷さんからオファーを受けて始まったのですが、何を扱うか相談するなかで、どちらともなく「この話をやろう」となり、この内容に決定しました。で、小柳さんに発注したらクリヤマ長官が主役になっているっていう(笑)。