田口監督と小柳さんに直撃! 『ウルトラマンブレーザー』スタッフインタビュー前編

監督の田口清隆氏と脚本・シリーズ構成の小柳啓伍氏の対談を実施!

テレビマガジン編集部

『ウルトラマンブレーザー』の企画がスタート!

『ウルトラマンブレーザー』の作品は、どういうところからスタートしたのでしょうか?

田口監督

最初に円谷プロさんから次のメイン監督をやってほしいというオファーを受けて、「どんなことをやりたいか」というところからからヒアリングを受けました。当時「ニュージェネガイアならメイン監督はやりたくない」と、正直思っていたんですよ。ガイアはいろいろ凄すぎるから、どう頑張っても、物理的に無理という結論が僕のなかにあったので。

そして、僕は以前からグツグツ温めていたものがあって、それが『ウルトラマンブレーザー』第1話で描かれた「池袋ですでに怪獣が大暴れしている戦場に、防衛隊が空挺降下するところから始まるウルトラマン」っていうものでした。実はあのシーンは、僕がやりたいこととして最初の打ち合わせでプレゼンした内容なんですよ。円谷さんも「思い切り舵を切って新しいことをしなければいけない」と考えていらしたので、意見が一致しました。

その後、新しいことをするにはどうしたら良いかという話になります。そこで、僕が提案したのが、歴代ウルトラマンの力を使わない、その力を使ってのタイプチェンジをしない、新怪獣をもっと出すべき、という点でした。そして、その方向で頑張ってみようとなりまして、すぐに話作りが始まりました。シリーズ構成も自分でやらせてくださいとお願いし、その時点で、僕のほうでは小柳さんと一緒にやるのが前提だなと思ったんです。そして小柳さんと北浦嗣巳チーフプロデューサーとで企画作りをしていきました。
『ウルトラマンブレーザー』第1話で、輸送機から降下したゲント隊長  ©円谷プロ ©ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京 PHOTO/講談社

企画のスタートはいつごろだったのでしょうか?

田口監督

時期としては、今から2年前、2021年の夏でした。「制作体制作りを急ぐ」というのは最初から言われてたので、実は武居監督が『ウルトラマンデッカー』のお話作りをしている横で僕はすでに『ブレーザー』のお話作りをしていたんですよ。
そこで、デッカーと差別化するためにも、今回、新規怪獣を多く作らなくてはとも思いました。いろんな調整が必要になりましたがプロデューサー陣が頑張ってくださり、結果、多くの新怪獣を生み出すことができました。

プロットはどう決めていったのでしょうか?

田口監督

「防衛隊メインの話」、「怪獣がメインの話」というのが決まっていました。僕は、本来「ウルトラマン」は各話が面白いエピソードの集合体だと思っています。ただ根底に流れるストーリーみたいなのは必要です。このころから北浦さんが用意してくださった「秘密基地」に何度も通い詰めました。『Z』のときはスタジオの会議室を借りて、壁中に「何話で何をする」といったことを書いて貼り出していました。それがすごく良いシステムだったんで、もう一度やりたいと思っていたんですが、スタジオが『デッカー』で使われていたんですよね。そこで、北浦さんがホワイトボードをふたつ部屋に運び込んで、セッティングしてくださいました。
小柳さん

都内某所の、すごく昭和な雰囲気がある会議室でした。外からセミの鳴き声が聞こえてくるムンムンとしたなかで「ああでもない、こうでもない」と。あの雰囲気はすごく楽しかったですね。暑かったですけど(笑)。
田口監督

「部室感」がすごかったよね。
バザンガと戦うウルトラマンブレーザー  ©円谷プロ ©ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京 PHOTO/講談社
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インタビューの後編はこちら!

©円谷プロ ©ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京

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テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 SNS:テレビマガジンX(旧Twitter) @tele_maga  SNS:テレビマガジンLINE@ @tvmg  記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『ボンボンアカデミー』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。