大人気童話作家・あんびるやすこの「秘密」「欲しいものは自分でつくると決めた」幼少期

「たのしい幼稚園」で連載 「あこがれのおしごとレポート」特別編

ライター:山口 真央

大人になったら「自分で欲しいものをつくろう」と思っていた

イラストを下書きをする、あんびるやすこさん。デスクに置いた色鉛筆ケースは、特注でつくってもらったのだそう。
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Q5.あんびるさんは、どうして童話作家になりたいと思ったんですか?

あんびる:元々は、アニメの美術設定や、おもちゃの企画やデザインする仕事をしていました。

イラストを描く仕事を増やしたくて、出版社に持ち込んだところ「お話もつくれるのでは」とアドバイスをもらい、1987年に絵本作家としてデビューしました。

児童文学を描き始めたのは、絵本より長い文字量で、登場人物の気持ちの変化を描きたいと思ったから。2003年に初めての児童文学『なんでも魔法商会 お洋服リフォーム支店』を出版しました。

Q6.あんびるさんはどんなお子さんでしたか?

あんびる:個性的な子どもだったと思います。というのも、自分の欲しいと思うものが、世の中に全然なかったんです。大人たちが子ども向けのものを私の前に持ってきても、何も魅力を感じられませんでした。

だから私は「大人になったら、本当に子どもが欲しいと思うものをつくって、大人に見せてあげなくちゃ」って思ったんです。

子どもって鋭いから、つくり手が子ども相手だからと手を抜いてしまうと、なかなか気に入ってはもらえません。だから大人になってからは、童話づくりだけじゃなくキャラクターのグッズも、納得できるまで何度もブラッシュアップしています。
幼いころの、あんびるやすこさん。

Q7.童話作家にはどんな人が向いていますか?

あんびる:童話作家に向いているのは、子どもの気持ちを失わずに大人になった人です。私も自分自身の感覚が、小学生や中学生と変わらないと感じています。

もし童話作家になりたいお子さんが、周りと違う感覚を持っていて悩むことがあったら、今の気持ちを否定せず、大切にしてほしいです。その悩みは大人になったとき、物語やイラストを書く大きなエネルギーになります。
あんびるやすこさんが飼っている猫のエルちゃん。ふわふわの毛が愛らしい。

Q8.童話作家になりたい子は、子どものうちに何をしたらいいですか?

あんびる:リアルな体験を、たくさんしてほしいです。絵が好きなら、美術館に絵を見に行ったり、音楽が好きならライブに行ったり。海外旅行もいいでしょう。

子どものころの生き生きとした感動は、大人になっても忘れませんよね。リアルな体験の積み重ねが、物語を書くときにひらめきとなって出てくるのではないかと思います。
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