【発達障害・グレーゾーンの子】正しい「ほめ方」はこれ 名前を呼んで具体的に

なんとなく「ほめる」はNG! 子どもをほめるときは「目を見て」「望ましい行動」を付け加える

すぐできると期待しない

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──ただなんとなく「ほめる」だけではなく、名前を呼んだり、事実を指摘してほめたり……明日からでも実践できる方法が分かって嬉しいです。「望ましい行動」を子どもにインプットするときには、大人はどのような心掛けでいればいいのでしょうか。教えてもなかなか子どもに伝わらないことも多いのでは、と思います。

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小嶋先生:発達障害の子に接するときは「教えてほめる」を心がけなければいけませんが、ここにつけ加えると、「教える。けど、すぐにできると期待しない」という心がけも大事です。

大人がインプットしても、なかなか行動には出にくいのが発達障害の子の特徴です。だから大人は、「教えっぱなしでいい」くらいの気持ちでいましょう。とくに教師は、「すぐになんとかしたい」「変化してほしい」「目の前で解決したい」と焦る悪い癖がありますが、そういう気持ちでいると言葉がきつくなり、子どもとの関係が悪くなるばかりです。「教えたけど、ま、できないよね。もう1回教えてあげるか」くらいに構えておいたほうが、穏やかに子どもに接することができます。

たとえば、こんな事例がありました。友達に手を上げてしまった子がその日はなかなか謝れなかったのですが、次の日「さっきは叩いてごめんね」と謝ったのです。問題行動の「翌日」は、タカシくんには「さっき」でした。そんな、ちょっと変わった時間感覚を持っている子もいます。また、その子にとって難しいスキルは、教えてもなかなか身につきません。だから時間がかかるのです。それでも、大人が教えたことは、いずれきっと活きてきます。子どもを信じて、気長に「教えてほめる」をくり返しましょう。

ほめるタイミング

──気長に伝え続けることが大事なのですね。「望ましい行動」ができたときの「ほめる」ベストタイミングはいつなのでしょうか。行動の途中では、子どもの手を止めてしまうようでためらわれますよね。

小嶋先生:子どもが「望ましい行動」を起こした直後にこちらを見るようであれば、それは「すぐ」ほめるべきタイミングです。言いかえると、「目が合った瞬間に必ずほめる」──これが大事なのです。先ほどお話しした「即時性」が強く求められる場面です。

ほめるタイミングを逃している親や教師は、意外と多いようです。望ましい行動をしたあと、子どもが目を合わせてきたら、そのときは必ず、何よりも優先して子どもをほめてください。タイミングを逃すと、望ましい行動を強化できません。

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ですが、早すぎてもいけません。

たとえば、子どもがこちらに目を向けることもなく、望ましい行動を続けている場合。そのような場合は、そばで見ていて、一区切りついたところで、「さっきのあの○○(行動)、よかったよね」というように、子どもに行動を思い出させながらほめるといいでしょう。子どもが何かをしている最中に、それを中断してまでほめる必要はないのです。

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