
もりたま先生:藤井さんはモンテッソーリ園に通っていたころ、ハートバッグ作りに夢中だったそうですね。
田中先生:ハートバッグに限らず、手と五感を使う活動を繰り返すことが重要です。モンテッソーリ教育を受けた藤井さんなどに共通するのは、自分で考えて行動できることや、謙虚さなのです。謙虚さや感謝の心が、モンテッソーリ教育でははぐくまれます。心と体は切り離せないんですよ。
まずは思いどおりに動かせる体、集中力や意欲といった根っこを作ることが大切。子どもが自分で選んだことに自分から関われるようにしましょう。
もりたま先生:強制するのではなく、子どもたちの意欲や自主性を大切にしつつ、その子にちょうどいいバランスで働きかけることが大切なのですね。
田中先生:子どもたちは日々変化しています。たいへんなときもありますが、悪いことばかりは続きません。子どもたちはどんどん変わっていきますから、長い目で見るようにすると、心が軽くなりますよ。
──ほんとうにそうですね。今日できないことが、明日はできるようになるのが子どもたち。今日伺ったお話は、子育て真っ最中の方たちの心の支えになると思います。すばらしいお話をありがとうございました。

映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』がもっとおもしろくなる!<全3回>
現状を可視化する使命──映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』レア・トドロフ監督インタビュー
現在、マリア・モンテッソーリが確立したモンテッソーリ教育は世界中に広まっています。しかしいまだ、すべての子どもたちの権利が尊重される世界の実現への道のりは遠いと思えます。監督はなぜ今、マリア・モンテッソーリの生涯と功績を思い起こす必要があると感じたのでしょうか。