「11時間保育」は大人でも疲れる…保育の専門家・大豆生田先生が教える「帰宅後の修羅場」の処方箋

育児の「困った」を解決する4つのポイント【長時間保育#後編】 (2/5) 1ページ目に戻る

髙崎 順子

集団保育が子どもに与える「良い影響」

写真:アフロ
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大豆生田先生はまず、「子どもたちの育ち合い」というポジティブな面を説明します。

「一緒に過ごす同年齢・異年齢など他の子どもや大人のやっていることを見て、『自分もやってみよう』と真似をして、できなかったことができるようになる。保育の場では、そのような育ち合いが起きやすくなります」

トイレの自立が進んだり、苦手な食べ物が食べられるようになったり。家での生活ではなかなかできなかったことを、保育の場で覚えるのは、よくあることです。

なぜこの「育ち合い」が起こるのか? それは太古の昔から、人間は集まって暮らしてきたからだと、大豆生田先生は言います。

「はるか昔から、生物としてのヒトは『群れ』の中で子育てをしてきたことが、研究で明らかになっています。子どもたちは群れの中で、周囲の人々を見て、その真似をして育ってきました。その『集団の中で他者の真似をしながら、自ら育つ』というのが、保育の場で子どもたちに表れる、一番大きな影響と言えます」

核家族が多い日本社会で、子どもたちが育ち合いを経験できる安全な「群れ」が、集団保育の場である、というわけです。

保護者は心の安全基地

その一方で大豆生田先生は、育ちの基盤としての家庭養育の大切さにも触れます。

「子どもの育ちには、心の安定感が欠かせません。保育学では『アタッチメント』と呼ばれるもので、その安定感は、困ったときにしがみつける大人の存在とともに育まれます」

「『自分は受け止められている』『困ったらここにくれば大丈夫』と感じられる場所が心の安全基地となり、できないことに挑戦して育っていく基盤になっていきます」

この「自分が受け止められている」「困ったらこの人にしがみつける」との実感を強く与えてくれるのが、子どもにとっての保護者であり、短い時間であっても保護者に「受け止められている」と感じられるのは大切な経験です。

長い時間を家の外で、大勢の他人と過ごす子どもたちを前に、忘れずに覚えていたいポイントです。

「親の働き方」で延びた保育時間

子どもの育ちにはメリットがある集団保育ですが、そこで過ごす「時間の長さ」については、どんなことが分かっているのでしょう。

「11時間保育」は長すぎる?
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