【漬物を楽しむ】「MOTTAINAI」 台所から未来の子どもを支えるごはん
もったいない・つづけられる・伝統食! #7【漬物】「子どもと楽しむ漬物料理」
2023.06.21
ライター・料理家:越野 美樹
「食べたいものは自分で作る!」をモットーに、料理家・越野美樹さんが「日本の伝統食材」を使ったレシピを提案する連載。
ロハス、エシカル、SDGsなどのオシャレな横文字ではなく、毎日のベタでリアルな生活の中から生まれた身近な知恵……。
小さい子がいて忙しくても、ゆるく続けられる台所仕事の「MOTTAINAI」を、具体的な実践方法を交えてお伝えします。
7回目のテーマは、「漬物」。
漬物とクリームチーズのポテサラ、漬物のカラフルタルタルソース、漬物の韓国風おにぎらずなど、子どもも楽しく美味しく食べられる3品をご紹介します。
思わず一緒に作りたくなる「お手伝いポイント」も載せていますので、親子で一緒に楽しんでくださいね。
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保存性の高い漬物
普段から漬物を食べていますか?
漬物は、野菜、果物、お肉、お魚などを漬け込んだ、加熱せずにそのまま食べられる食品。
食材を漬物にすることで、水分が抜けてビタミン、ミネラル、食物繊維などがアップし、風味も良くなります。
「一番よく作る料理はなんですか?」と聞かれたら、「漬物!」と答えるのではないかと思うほど、我が家では漬物が身近な存在です。
欠かさず瓶に入れて保存している漬物や、毎年、季節になると作る漬物などがあり、毎食のように、少しずつ食卓に上がっています。
忙しい日が続いて「何もおかずがない!」という日に、常備している漬物に助けられたことも。
漬物といえば発酵食品というイメージがあると思いますが、無発酵の漬物もあります。
また、熟成させて保存性があるものと、あまり保存性がないものに分かれます。
今回は漬物を使った子どもが喜ぶ料理を3品ご紹介しますが、その前に野菜の漬物の種類について詳しく紹介します。
野菜の漬物の種類
【発酵漬物】
発酵漬物は、乳酸菌や酵母、酪酸菌など、さまざまな微生物の力で発酵し、風味や味が変化した漬物のこと。
塩分濃度が高く、空気の少ない環境で生育できる乳酸菌で発酵した漬物が多く、食材が酸性となって雑菌が繁殖しにくくなるため、保存性が高くなるのが特徴です。
●塩漬け
代表的な漬物で、塩に漬ける方法と、塩水に漬ける方法があります。しば漬け、千枚漬け、すぐき漬けなどがあります。海外ではザワークラウト、ピクルス、キムチ、酸菜(さんさい/スヮンツァイ)などもこの種類です。
●ぬか漬け
米ぬかと塩などを混ぜて作ったぬか床に野菜を入れ、乳酸菌や酪酸菌で発酵させた漬物。
●たくあん
天日干しした大根をぬか漬けにした漬物。前述のぬか漬けよりも塩分濃度が高く、日持ちがします。
【無発酵漬物】
副材料の成分や風味が材料に移ることで、味が変化する漬物のこと。
数時間だけ塩に漬けた浅漬けや、甘酢漬け、みそ漬け、粕漬け、こうじ漬け、梅干しなどは微生物による発酵がない無発酵漬物です。
●塩漬け
発酵漬物の塩漬けとは違い、数時間漬けただけの漬物は発酵しておらず、日持ちもしません。
●醤油漬け
福神漬け、松前漬け、野沢菜漬けなどのほか、野菜を醤油につけて浅漬けにしても。
●酢漬け
らっきょう漬けのほか、米酢・りんご酢・梅酢などに野菜を漬け込んだ漬物。
●こうじ漬け
米こうじを使ったべったら漬けや三五八漬け(さごはちづけ)などのほか、塩こうじや醤油こうじに漬けた漬物も。
●粕漬け
酒粕に酒やみそなどを加えて野菜を漬けます。奈良漬けや守口漬け(もりぐちづけ)は長期保存ができます。
●みそ漬け
みそに生やゆでた野菜を漬け込んだ漬物。すぐに食べたいときは細かく刻みます。
ご自宅で簡単に作れる漬物もあるので、できそうなものがあれば試してみてくださいね。
今回は、浅漬け、らっきょう漬け、ぬか漬け、たくあん、カリカリ梅などを使った、子どもも楽しめる3種類の漬物アレンジレシピをご紹介します。