【貝料理】「MOTTAINAI」台所から未来の子どもを支えるごはん

もったいない・つづけられる・伝統食! #25【貝料理】

ライター・料理家:越野 美樹

貝を食べやすくする裏技

縄文時代の貝塚から貝殻が出土しているように、貝は昔から食べられている魚介類です。

貝は生、冷凍、缶詰、加工食品など、いろいろなかたちで販売されています。   写真:越野美樹

貝はタンパク質やカルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルが豊富ですが、クセがあって食べにくい子どももいますよね。

貝が苦手な理由は、5つ考えられます。

異物:欠けた殻や砂がジャリッとする
食感:嚙みきれない
香り:生臭い
味:苦味がある
見た目:形が気持ち悪い

貝が苦手な子どもには、5つの工夫をすると食べやすくなります。

異物:よく洗い、しっかり砂抜きする
食感:隠し包丁を入れる
香り:酒や酢を加える
味:トマトや乳製品、油脂類を加える
見た目:細かく切る

あさりやしじみなどの二枚貝は、貝と貝をこすり合わせてよく洗うなど、しっかり下ごしらえすることも大切です。

今回は貝の料理3品を紹介しますが、その前に、貝が食べられる年齢についてもご紹介します。

貝はいつから食べられる?

良質なタンパク質やミネラルなどの成分が豊富に含まれる貝を食べることは、成長の助けになります。

ただし、貝は硬くて消化もしにくいので、1歳未満のお子さんには与えないようにしましょう。

また、嚙み切りにくいので、離乳食期には積極的に与えなくても大丈夫です。

1歳を過ぎたころから、だしを与えることから始め、その後、みじん切りにして少しずつ試していきます。

アレルギーや食中毒が起きにくいように新鮮な貝を選び、よく加熱することも大切です。

特にアレルギーが心配な場合は3歳以降、他の食材と同様に平日の午前中、小児科が開いている時間に貝を与えて試してみるといいでしょう。

身が柔らかいかきや、ほたて、あさり、しじみなどの苦味がない貝は、子どもにも食べやすい種類です。

左:しじみ、中央下:あさり、右:かき。貝の中でも柔らかい食感のものを選び、5つの工夫をするとより食べやすくなります。  写真:越野美樹

はまぐりやあわび、さざえなどは独特の苦味があり、細かく刻んでも嚙みにくいので、幼児期には避けましょう。

今回は、幼児期以降の子どもに食べやすい、貝の料理3品をご紹介します。

「あさりのパエリア」のレシピ

あさりだしとトマトの旨みがきいた、簡単に作れて本格的な味わいが楽しめるパエリア。  写真:越野美樹

【材料】2人分
あさり(殻付き・下処理したもの) 120g
※あさりの水煮缶130g(固形分55g程度)を使ってもOK
米 1合
玉ねぎ 1/2個
にんじん 1/4本
ニンニク 1片
トマトホール缶 1/2缶
オリーブオイル 大さじ3
酒 大さじ1
塩 小さじ1/2

【お手伝いポイント】
炒めるのを手伝ってもらいましょう。

【作り方】
1.玉ねぎ、にんじん、ニンニクは粗みじん切りにする。

2.フライパンを弱火で熱してオリーブオイルを入れ、1を加えて炒める。

3.玉ねぎが透明になったらトマトホール缶を入れ、つぶしながら炒める。

4.あさり、水600ml (分量外)、酒、塩を入れて強火にかけ、あさりの殻が開いたらあさりをいったん取り出す。

5.米をパラパラと加えて5分煮る。フタをして弱火にし、米が柔らかくなるまで12分ほど炊く。

米を炒めなくても大丈夫! オリーブオイルをたっぷり使って野菜を炒め、沸騰してから米をパラパラと入れると、ふっくらツヤツヤに仕上がります。  写真:越野美樹

6.あさりを戻し入れ、最後に30秒ほど強火にして焦げ目をつける。

あさりの殻が開いたらすぐに取り出すと、スープに旨みがうつり、身がふっくらとして食べやすくなります。

また、あさりの水煮缶を使う場合は、工程4ではあさりの身を加えずに汁だけ加え、汁の分量だけ水を減らして入れてください。工程5では、フタをして5分ほど経ってから身を入れ、米が柔らかくなるまで炊きます。

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