PTA革命を起こしたママ落語家の“PTA経験を宝”に変える方法

落語家・三遊亭あら馬さん「PTAの手引き」リアルエピソード編#5〜大改革の先にあった PTAの本質〜

落語家:三遊亭 あら馬

PTAに積極的参加しない人の気持ちがわかった!

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徹底的な活動の断捨離は、③ベルマーク活動からの撤退にも及びます。

「ベルマーク係が一生懸命小さな額を数えて集めているのに、ベルマーク財団にうかがったら、『これお土産にどうぞ!』とか言って、オリジナルのボールペンだのファイルだのを作っていて、あきれてしまいました(笑)。不要なものはすべてバッサリ廃止です!」(あら馬さん)

さらには、あふれる書類の山からの脱却を目指し、④ペーパーレス化にも取り組みます。

「当時はGoogleフォームなど便利なツールもなかったので、書類はすべて手書き。PTA入会カードは全保護者分手書きの書類だし、もちろん会員名簿も紙ですよ。

それらをすべて、ファイルメーカー(データベースソフト)でデータ化しました。ついでにホームページも刷新して、全校保護者が情報共有できるようにしました」(あら馬さん)

さまざまな保護者たちの声をひろうなかで、PTA活動に積極的参加をしない方の気持ちもわかってきたというあら馬さん。

「みなさんPTAが根本的に嫌いなのではなく、時間的にできないという人が多いんです。だから、⑤係というカタチで活動に参加してもらうことにしました。

活動日を限定することで敷居が低くなる。一日だけでも携わってもらえたらいいんです。ラジオ体操パトロールなどの人員がその例です」(あら馬さん)

また、⑥会費の減額にも着手しました。

「私もですが主婦にとって節約は大切。なのに、PTAはお金を貯めすぎでした。 原則として次の月分の活動費以上を所持していると課税団体となってしまうので、PTA内の貯金を減らすために年額3800円から3000円に減額しました。

PTAのOBからは『一度減額すると二度と上げられないよ』と苦言を呈されましたが、二度と上げることはないでしょう」(あら馬さん)

これらのさまざまな改革に伴い、きちんとハード面を整えることも忘れません。学識経験者を招いて、⑦規約改正委員会を立ち上げ、規約改正も行いました。

会長になって足掛け3年、ここまでの改革を一気に推し進めてきたのです。

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