室井滋が語る、親子の読み聞かせ「下手でもいい」理由 「端役じゃイヤ!」 教科書から始まった、朗読への情熱

【Amazonオーディブル】『ムーミン谷の彗星』スペシャルインタビュー 後編

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俳優として、表現者として、常に唯一無二の存在感を放つ室井滋さん。その表現の根底には、幼少期の「貸本屋」での出会いや、故郷・富山で培われた濃密なコミュニティ体験がありました。

Amazonオーディブル版『ムーミン谷の彗星』で朗読を担当された室井さんへのインタビュー【後編】では、現在富山県立高志の国文学館の館長も務める室井さんの子ども時代や、本や朗読との出会いについて伺いました。

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「宿題を見てくれたら、タダでいいよ!」 本との出会いは貸本屋

──室井さんご自身が、最初に「本」に夢中になったきっかけは何だったのでしょうか。

室井滋さん(以下、室井さん):
ちょうど昭和40年代、私が小学生のころですね。富山の私の町内には、1軒の「貸本屋」があったんです。そこは同級生の男の子の家で、おばあちゃんが店番をしていました。その男の子は勉強があまり得意じゃなかったみたいで、おばあちゃんから「しげちゃん、うちの孫の宿題を見てやってくれんけぇ?」と頼まれまして(笑)。「その代わり、本をタダで貸してあげるちぁあ」って。

──それは、子どもにとって魅力的な条件ですね!

室井さん:
もう、ラッキー! と思って。一生懸命教えて、ときには自分のノートを写させてあげたりして(笑)。それで約束どおり、ありとあらゆる本を読ませてもらいました。

当時はマンガが全盛期で、『なかよし』『りぼん』『マーガレット』などの少女マンガは定番で読んでいましたし、水木しげるさんや手塚治虫さんなどの少年マンガも読んでいました。

中でも私は楳図かずおさんの作品に圧倒され、夢中になって読破しましたね。後年、東京に出てきて早稲田大学に通っていたころには、高田馬場の喫茶店で楳図さんご本人をお見かけして。そのときは思わず心の中で、「ギャー!」と叫びました。あまりに独特のオーラがあって、遠くから観察するだけでしたけれど(笑)。

マンガ以外では、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の怪談も大好きでした。貸本屋のすみっこで立ち読みをして、店が閉まる間際に1冊だけ借りて帰る。そこは私の「私設図書室」のような場所でしたね。

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