「叱る」行為をやめられない、子どもに対してカッとなる…臨床心理士がアドバイス

「𠮟る依存に陥ってしまうのは、人格、能力、愛情の問題ではない」村中直人さんインタビュー #3

ライター:山口 真央

子どもを厳しく叱ることは、子どもの心の成長を阻害するーーでは、叱らずに子育てに取り組むにはどうしたら良いのでしょうか?(写真:アフロ)
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近年SNSでは、お店や交通機関など、公共の場で子どものマナーが問題になり、炎上するケースが多く見られます。

しかしながら、子どもを厳しく叱ることは、子どもの心の成長を阻害する、とも言われています。ジレンマに阻まれた親は、どのように子育てに取り組めばよいのでしょうか。

この記事では、『〈叱る依存〉がとまらない』著者で、臨床心理士の村中直人さんにインタビュー(全3回)。叱るメカニズムと叱り続けるリスクについてお聞きした1回目、𠮟らずに「しつけ」をする方法についてお聞きした2回目に続き、3回目では「具体的な親の悩み」について質問しました。

ついカッとなってしまうときの対処法や、叱らずに子どもをしつける方法、罪悪感にさいなまれたときに気をつけてほしいことなど、「叱る」を手放すためのヒントを伺います。

「𠮟る依存に陥ってしまうのは、人格、能力、愛情の問題ではない」──と解説する、臨床心理士の村中直人さん

【村中直人(むらなか・なおと)】1977年生まれ。臨床心理士・公認心理師。一般社団法人子ども・青少年育成支援協会代表理事。Neurodiversity at Work株式会社代表取締役。2008年から多様なニーズのある子どもたちが学び方を学ぶための学習支援事業「あすはな先生」の立ち上げと運営に携わり、現在は「発達障害サポーター'sスクール」での支援者育成にも力を入れている。

質問1「子どもが目に余る行動を起こすと、ついカッとなってしまいます。どうしたら制御できますか?」

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