低血糖になってしまう原因とは?
低血糖になってしまう原因を野口先生に聞くと、「食事の間隔を空けすぎていること」「血糖値を急上昇させるものをとっていること」の2つだそう。これらについて、さらに先生は解説を続けます。
NGな食事①「食事の間隔を空けすぎている」
血糖値は食事をすると上がりますが、時間の経過とともに下がります。ですから、一食抜いたり、食事と食事の間隔を長時間空けるだけでも低血糖になります。
そのうえ、食事を抜くとお腹が空くので、次の食事では早食い・ドカ食いをしたり、血糖値を上げようと糖質中心のものを選びがちに。すると血糖値は急上昇しますが、反動でその後血糖値はグンと下がり、再び低血糖に陥ってしまうのです。
NGな食事②「血糖値を急上昇させるものを食べる」
①でも説明した通り、血糖値は急上昇すると、その後急降下し、低血糖を引き起こします。そのため、血糖値を急上昇させるものをとることも、低血糖になる原因の一つ。血糖値を急激に上げる代表的な飲食物は次のとおりです。
<血糖値を急上昇させる飲食物>
1 砂糖
2 小麦粉
3 牛乳
4 コーヒーなどカフェインを含むもの
5 アルコール飲料
現代は、コンビニやファストフード店がいたるところにあるので、クッキーやチョコレート、ドーナツ、甘いジュース、ジャンクフードなどを常食している子も少なくありません。これが、結果的に低血糖を引き起こしています。
たとえば、「食欲がない」「時間がない」などの理由で朝食を抜き、昼食時には、お腹が空いたからとドカ食いや早く食いをする。夕方になると小腹が空いて菓子パンを食べる……というような食事をしていませんか? これらは、まさに低血糖を引き起こす食事といえるのです。
まずはきちんと3食食べよう
ここまで、低血糖を引き起こす原因について教えていただきましたが、低血糖を防ぐにはどのような食事をすれば良いのでしょうか。
「何よりもまず、規則正しく3食食べることが重要です。それでも症状が改善されない、少量しか食べられないといった場合には、食事と食事の間に、栄養を補うための食事・補食をとると良いでしょう。
補食には、鶏そぼろや卵そぼろの一口大おにぎり、お味噌汁、葛湯、甘栗、干し芋、焼き芋、黒豆などの煮豆、ゆで卵、りんごやみかんといったフルーツがおすすめです。また、骨付き肉をねぎや生姜、にんにくなどと煮出して作るボーンブロススープも栄養価が高いので良いでしょう。
補食としてNGなのは、ファストフードやスナック菓子、小麦粉や砂糖をたくさん使ったお菓子です。
ポイントは、お腹が空く前に食べること。これらの補食をこまめに取り入れると、血糖値が安定し、不安やイライラ、身体のだるさなども落ち着いてきます」(野口先生)
血糖コントロールは少しずつ取り組もう
低血糖対策を行ううえでは、その子のペースに合わせて少しずつ取り組むことも大事だと先生は言います。
「それまで甘いお菓子や甘いジュースをとるのが習慣になっている子は、いきなり『やめなさい!』と言うと、かんしゃくを起こすことがあります。実はこれも、低血糖の症状の一つなのですが、この場合は無理やり取り上げなくてもOK。補食を取り入れていくと、血糖値が安定して、甘い物を自然と欲しなくなるはずです。
また、そもそもご飯を食べたがらない子もいますが、これも低血糖でエネルギーがなく、腸管が働いていないことが原因かもしれません。それで、ご飯を欲しがらないのです。
何も食べたくないという子には、少量のりんごやみかんなどを食べさせてあげてください。すると、腸管が動き出し、食欲が出てくるでしょう」(野口先生)
親は子どものことを思えば思うほど、焦ったり、子どもに無理強いをしてしまいがちです。しかし、「初めから完璧を目指さず、ゆったり取り組んでいってください」と野口先生。
第2回では、実際にどのような栄養素をどれくらいとったら良いのか、具体的な食事法について解説していただきます。
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◆野口 由美(のぐち ゆみ)
医学博士(大阪大学)。日本医学放射線学会放射線診断専門医。日本抗加齢医学会専門医。
関西医科大学卒業後、関西医科大学附属病院内科などでの勤務を経て、九州大学病院心療内科へ。そんな中、自身の病気が発覚。療養の経験から、西洋医学にさまざまな補完代替医療を組み合わせた統合医療クリニック「クリニック千里の森」を開設。栄養療法やバッチフラワーレメディなどを用いて、薬に頼らない医療を提供している。
取材・文/阿部雅美
阿部 雅美
タイ・バンコクの日本人向け情報誌・WEBメディア、東京の編集プロダクションを経て、フリーランスの編集・ライターに。そのなかで保育雑誌や書籍、企業誌、食メディアなど様々な媒体を経験。 現在は、育児・教育や占い、グルメなどさまざまなジャンルの記事を編集・執筆している。
タイ・バンコクの日本人向け情報誌・WEBメディア、東京の編集プロダクションを経て、フリーランスの編集・ライターに。そのなかで保育雑誌や書籍、企業誌、食メディアなど様々な媒体を経験。 現在は、育児・教育や占い、グルメなどさまざまなジャンルの記事を編集・執筆している。
野口 由美
関西医科大学卒業後、関西医科大学附属病院内科などでの勤務を経て、九州大学病院心療内科へ。そんな中、自身の病気が発覚。療養の経験から、西洋医学にさまざまな補完代替医療を組み合わせた統合医療クリニック「クリニック千里の森」を開設。栄養療法やバッチフラワーレメディなどを用いて、薬に頼らない医療を提供している。
関西医科大学卒業後、関西医科大学附属病院内科などでの勤務を経て、九州大学病院心療内科へ。そんな中、自身の病気が発覚。療養の経験から、西洋医学にさまざまな補完代替医療を組み合わせた統合医療クリニック「クリニック千里の森」を開設。栄養療法やバッチフラワーレメディなどを用いて、薬に頼らない医療を提供している。