「相談先がわからない…」子ども・親・保育士を救う子育て支援“キンダーカウンセラー”とは

幼稚園にいる心の専門家「キンダーカウンセラー」第2回~園児・保護者との関わり~ (3/3) 1ページ目に戻る

キンダーカウンセラーは2003年に国内で初めて大阪で導入され、兵庫、京都など関西を中心に広まりつつあります。

とはいえ、大阪府でも配置されているのは府内の私立幼稚園・認定こども園418園のうち、約半数。小中学校のスクールカウンセラーがほぼ全校に配置されているのと比べるとまだまだ普及の途上です。

「もし住んでいる地域にそのような制度がなければ、保護者自らが少し情報のアンテナを広げてみることも大切かもしれません」とは大阪府私立幼稚園連盟でキンダーカウンセラー事業を担当している平林祥さん。

キンダーカウンセラーはいなくとも、多くの園では、自治体の巡回相談や発達支援センター、医療機関などと連携していて、園の先生に相談すると、地域の機関を紹介してもらえることもあります。子育てに関する相談窓口も、自治体の子育て相談、発達支援センター、保健センター、子育て支援拠点など、さまざまな場所にあります。

子どものことを心配しているのは、保護者だけではありません。園の先生や地域の専門家など、一緒に子どもを見守る人たちがいます。一人で抱え込まず、少し視野を広げてみる、誰かを頼ってみることが支援を受ける一歩へとつながっていきます。

全国へ広げていきたい

さらに、平林さんは、「今の時代こそキンダーカウンセラーは必要」と語ります。

「園にキンダーカウンセラーなどの臨床心理士が関わる事業は、全国的に見ればまだ広く普及しているわけではありませんし、自治体によって支援体制は大きく異なります。しかし、子育ての悩みが複雑になっている今、保護者だけ、園だけで抱えることが難しいケースは増えています。

保護者、園、専門家、そして行政。それぞれがつながることで、子どもを支える環境は少しずつ広がっていきます。

大阪で続いてきたキンダーカウンセラー事業は、子育ての悩みを一人で抱え込まないための一つの仕組みとして、その役割を静かに果たしていると思います。

実際に、この事業で救われたと感じる保護者や保育者も多いと思いますので、これからは全国に少しずつでも広がっていくことを願っています」

子どもの成長において、保護者の抱える悩みは子どもが何歳になっても絶えることはありません。より手がかかる幼児期なら、なおさらのこと。子育てのリアルな悩みはネット検索だけではなかなか解決できません。

キンダーカウンセラーは、親や園の先生だけでは解決できない問題を突破する「架け橋」のようなものです。

あえて専門家とリアルで向き合って言葉や心を交わし、心を整理してまた前に進む。子どもが毎日通う園にそんな体温のあるつながりがあれば、親は孤立から救われ、明日への活力につながるのだと実感しました。

取材・文/関口千鶴

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関口 千鶴
せきぐち ちづる

関口 千鶴

Sekiguchi Chizuru
編集者・ライター

大学卒業後、出版社にて編集者として数多くの雑誌・書籍を手掛ける。その後、親子カフェ経営を経て、独学で保育士免許を取得。現在は、幼児教育・子育て支援・絵本などを中心としたフリーランスの編集者・ライターとして活動中。 ●Instagram chise_kanon

大学卒業後、出版社にて編集者として数多くの雑誌・書籍を手掛ける。その後、親子カフェ経営を経て、独学で保育士免許を取得。現在は、幼児教育・子育て支援・絵本などを中心としたフリーランスの編集者・ライターとして活動中。 ●Instagram chise_kanon