茂森あゆみさん「うたのおねえさん」を育てた“音楽一家”と“本物のステージ” 

歌手・茂森あゆみさんインタビュー「私の“音育”」#1〜生い立ち編〜

自身の育った環境から、習い事に関する貴重な意見を語ってくれた茂森あゆみさん
写真:内田龍

歌手の茂森あゆみさんは、1993〜1999年まで、『おかあさんといっしょ』(NHK Eテレ)に17代目うたのおねえさんとして出演。2002年に結婚し、今では3人の子どもを持つママです。幼い頃から歌が好きで、歌手になる夢を見ごとに叶えた茂森さんはどんな環境で育ったのでしょうか。

歌や演奏が自然にある家庭 トイレでも歌う子どもだった

茂森さんは熊本県熊本市出身。3人姉妹の末っ子として生まれ、3姉妹ともが幼い頃からピアノを習い、家族全員が音楽好きであるなど、音楽が身近な家庭で育ちました。

「とはいえ特別な音楽一家というわけではないです。母は小さい頃にヴァイオリンやっていたけどプロではないですし、父親もカラオケでマイクを離さないみたいな一般的に好きなくらいのレベル。3姉妹ともピアノを習っていたのですが、私が生まれたときにはすでに姉が始めていたので、家のピアノを常に誰かが弾いていて、ほかの家族は好き勝手に歌ったりという、歌うことやピアノを弾くことが自然な家庭でした。そんな中で育ったからか、母によると私も、お風呂場だろうがトイレだろうが、どこでも歌っているような子どもだったらしいです」

幼い頃から音楽が身近にあり、ピアノは3歳から習っていたという茂森さん。ほかにもたくさんの習い事をしていたそうで、音楽に関わるものばかりではなく、スポーツにも取り組んでいたと言います。

「ピアノとクラシックバレエは3歳から。書道は近所の教室に通って、小児喘息があったので水泳もやっていました。小学2年生からはソルフェージュ(読譜や聴音など音楽を学ぶための基礎訓練)を。あと、私の落ち着きのなさを父が心配して、小学4年生あたりから3年ほど剣道もやりましたね」

「剣道は、友だちと遊んでばかりで何のために通ったのかわからないぐらいでしたけど(笑)」(茂森さん)
写真:内田龍
次のページへ 音楽家になるのに絶対音感より必要なものとは
13 件