【限界ごはん】「土日はごはんを作らない」というコウケンテツの選択の理由

コウケンテツさんも作りたくないときがある 「限界ごはん」 #5 家庭内での話し合いの大切さ

料理家:コウケンテツ

コウさん流の「話し合い」のヒントとやり方を伝授

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──コウさんは、料理だけではなく、家庭のマネジメントの相談も受けることが多いとお聞きしました。

コウケンテツさん(以下、コウさん):はい。先日は、パパがまったく家事をしないという悩みをもつママに相談されました。たしかに、毎日の仕事が忙しく、帰宅も深夜に及ぶというようなパートナーに、日々のごはんを作って、というのはなかなかハードルが高いことは想像ができます。

また、「家事分担の話をすると、パートナーの機嫌が悪くなるから、結局我慢をして、自分がやってしまっています」という女性の声も多く聞きます。これも悩ましいところですよね。でも、難しいけれど、そこはやはり話し合うことしか解決方法はないのでは、と感じています。

僕自身は、家事はなんでもしていますが、それは家事が得意だから。しかし、デスクワークはまったくできません(笑)。例えば、僕が事務処理をやり出したら、「何やってんの?」というレベル。全然終わりません(笑)。

というわけで、わが家は「適材適所」を重視して、妻とお互いができることを話し合い、家事を分け合っています。妻は、家事も料理もすごく上手なのですが、デスクワークもとっても得意なのです。

あと、子どもの学校・塾関係のお勉強は、全て妻。僕はお弁当と送り迎え。こんな感じで日々やるべきことの分担をしております。

ご家庭によって、置かれている状況も子どもの数も家族構成も違うから、だからこそ夫婦やパートナーと、それぞれの家のやり方を試行錯誤して、築き上げる必要はあると思います。

「僕は家具の組み立てなども不得意で、妻が組み立ててくれます(笑)」(コウさん)

パパたちへひとこと「家事は“仕事”である」

──分担する以前に、家事の何を、どのぐらいやる必要があるかわからないパパも多いと思うんです。なにかアドバイスはありますか?

コウさん:これはパパへの提言なのですが「夫婦だから」と考えると、自分の固定概念に凝り固まった方は、料理や家事は「妻がやって当然」、「話し合いなど不要」と考えてしまいがち。だから、パパは、その前提をいったん忘れましょう。そして家事を完全に家庭の「仕事」として考えてほしいのです。

例えば、夫婦のカレンダースケジュールに「話し合い」を、「仕事」として組み込みます。話し合いのテーマは、子どもの進路や困っていたり、相談したいことなど。

「仕事として」ですが、話し合いはぜひ楽しい雰囲気にしたいですよね。わが家では、話し合いのことを「コーヒータイム」と呼んでいるのですが、必ずクッキーなど、ちょっとした甘いものを食べながらしています。理由は、甘いものを食べながらだとリラックス効果があり、話しやすくなるからという説を信じて(笑)。

甘いものが苦手な方なら、好きなお茶やおつまみ系でもいいと思います。そして、この話し合いは家庭運営のための「仕事」ですから、客観的に家庭を見やすくなりますし、パパのビジネスマンとしての能力が発揮されるケースも多いとの声を聞きます。

「仕事で能力を発揮しているパパたちだからこそ、優秀な“家事人”になるのでは、と思っています」(コウさん)

土日はご飯を作らないという「積極的休養のすすめ」

──もし、話し合いがうまくいかない場合の解決方法はありますか?

コウさん:はい、これはわが家で実践している方法なのですが、それは「土日はごはんを作らない」というもの。

朝昼兼用のブランチは、前の晩ごはんの残りを食べるとか、簡単なものなら用意するけれど、夜のごはんは作らない。

わが家は、僕が夜ごはんを担当することもお多い(もちろんケースバイケースで、妻が担当することも、一緒に作ることもある)のですが、「明日、作らなくていい!」と思うだけで、パーッと気持ちが明るくなる(笑)!

最近の土日は、朝からウーバーイーツのサイトを子どもたちと見ながら「何がいい?」と選ぶのが楽しくて、僕が一番ワクワクしています(笑)。あとは、普段はあまり食べないファストフードにも土日は行くことがあり、「イベント」のような、特別感が出ます。

この「土日は作らない」ですが、これはスポーツ界でいうところの「積極的休養」です。

ひと昔前だと、スポーツ選手はトレーニングを休むなんてとんでもないと言われていました。でも今は、疲労や筋肉を回復させなければいけないという考えが主流です。その考えは、普段の家事育児にも大切だと思うんです。

いかに家事の休みを取り、またパートナーとお互いで休みを振り分けるかが大切なのです。日頃頑張っているママは、特に積極的休養をとってほしいですね。

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