「ママが料理をやめるとき」 人気料理教室の主宰者が直伝する3ステップ
シリーズ「賢人に学ぶ『家族のごはんがしんどい』から解放されるヒント」#2‐3 ~料理のやめ方編~
2023.08.12
「お気軽料理サロン」主宰:本多 理恵子
料理のやめ方:ステップ③実践
決断が終わったら、いよいよ「実践」。料理を再開する未来のために「研修」をします。
研修には、「自分が気になるお店で外食をする」「料理本を読み込む」「料理教室をのぞいてみる」などが含まれますが、気負わず無理のない範囲でやるのが良さそうです。
「私は家族と一緒に行けないエスニック料理店でパクチーを山盛り食べたり、友達を誘って遠方のレストランを訪れたりしました。遊び歩いているわけではなく、立派な『研修』です(笑)」(本多さん)
さまざまな飲食店で「研修」を重ねているうちに、気分転換はもちろん、自分では思いつかない味付けや食材の組み合わせを知ることができます。
本多さんの場合、研修に取り組む日々の中で、ある変化が訪れました。
「買ってきたものや外食に飽きて、ごはんに納豆や梅干し、しらすを乗せるような、ちょっとしたものを食べたいと思うようになりました。
でも、そういうちょっとしたものは、外食ではなかなかまかなえません。そこから料理スイッチが入りました」(本多さん)
あるときは、自分が作ったシンプルな野菜スープのおいしさに気づくことができたと言います。「自分で作ったほうが自分にぴったりの味つけができる」と気づくきっかけにもなったそうです。
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シリーズ「賢人に学ぶ『家族のごはんがしんどい』から解放されるヒント」として、本多さんには3回にわたりお話を伺いました。最後に、料理に悩みを抱えるママパパに本多さんからメッセージがあります。「今は料理をSNSにアップする人も増え、見栄えが良く、おいしそうな料理を目にする機会が増えました。ほかの人と自分を比べて罪悪感を抱いてしまう人もいるでしょう。
でも、言葉を選ばずにお伝えすると、ほかの人もそんなにたいしたものを作っていません。これは、のべ1万3000人の生徒さんたちを見てきたから言えることです。
それから、食で家族の健康や成長を担うことに責任を感じている人もいるでしょう。お子さんが保育園や小学校に通っていれば給食もありますし、大きくなれば自分でどうにかできるようにもなります。
『食べてくれない』などの問題も成長とともに解決することもあるので、あまり責任を感じすぎないでほしいですね」(本多さん)
マインドややり方を変えてもどうしてもつらければ、「いったんやめる」を選択してもいい。本多さんのように、料理からちょっと離れることで作りたいと思える日が来るかもしれません。
取材・文/畑 菜穂子
畑 菜穂子
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
1979年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーに。主にWEBメディアで活動中。子育て、性教育、グルメ、企業の採用案件などの取材・執筆を行う。多摩地域で、小学生の娘(2012年生まれ)、夫と暮らす。 Twitter @haricona
本多 理恵子
2007年鎌倉で「Café Rietta」を開業。「お気軽料理サロン」主宰。『料理が苦痛だ』(自由国民社)で第6回料理レシピ本大賞 in Japan 料理部門【エッセイ賞】を受賞。書籍やTV出演などメディアを通じて料理をメンタル面からサポートする活動をしている。 著書に『ようこそ「料理が苦痛」な人の料理教室へ』(KADOKAWA)、『ごはん作りの絶望に寄り添うレシピ やる気0%からの料理術』(エムディエムコーポレーション)など多数。 ●HP:Café Rietta ●Instagram cafe.rietta ●Facebook Cafe Rietta
2007年鎌倉で「Café Rietta」を開業。「お気軽料理サロン」主宰。『料理が苦痛だ』(自由国民社)で第6回料理レシピ本大賞 in Japan 料理部門【エッセイ賞】を受賞。書籍やTV出演などメディアを通じて料理をメンタル面からサポートする活動をしている。 著書に『ようこそ「料理が苦痛」な人の料理教室へ』(KADOKAWA)、『ごはん作りの絶望に寄り添うレシピ やる気0%からの料理術』(エムディエムコーポレーション)など多数。 ●HP:Café Rietta ●Instagram cafe.rietta ●Facebook Cafe Rietta