「自分で説明できる子」が育つ親と子の習慣とは?

【スペシャル対談】深沢真太郎✕川上徹也

深沢さん:
これは大人と変わらないと思うんですが、理由を説明する習慣をつくるということですね。

たとえば「このオモチャがほしい」と子どもからいわれたとき、親がすぐに「いいよ」「ダメ」というんじゃなくて、「どうしてほかのオモチャじゃなくて、そのオモチャがほしいの?」など、子どもが「ほしい」と思った理由を言語化する機会をつくることは大切じゃないでしょうか。

言語化というのは、当たり前なんですけど「ことば」を使うわけですよね。ことばを使うためのきっかけとして「問い」を親や教師が作り出すということは意味があると思っています。

川上さん:
私が今回、『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』という本を書いたのは、もちろん日本語のふしぎさ、おもしろさを楽しんでほしいという思いもあるんですが、同時に、この本の内容を家庭や学校の友だちなどに話して、コミュニケーションのきっかけになってくれたらうれしいなと思ったんですね。

川上さん  撮影:講談社児童図書出版部

深沢さん:
自分が読んだ本の内容をほかの人に説明するというのも、りっぱな言語化ですよね。

しかもこの本だと、途中からは主人公の小学生・もえちゃんが、自分から自然と町中にある「ことばのふしぎ」に気づいて、考え始めるじゃないですか。

問いというのは、もちろん最初は親や先生から与えられるものでいいんですが、自分で問いを立てて、自分でそれについて考え、そしてその考えをほかの人に説明できるようになれば、それはすごい成長です。

川上さん:
この本だと、物語に沿って、楽しみながら、オノマトペとか助数詞とか、国語の語彙力や表現力を伸ばす一助になる内容にしました。

なにかを説明する、言語化するにあたっては、自分の考えとか思いをうまく伝えられる表現を知っているということも大切なんじゃないかなと思いますね。

深沢さんの新刊も、物語形式だから、大人びた子だったら読めてしまいそうですよね。

深沢さん:
そうですね。私も物語形式で本を書くことがたびたびありますが、やはり物語やキャラクターがいると、ただハウツーや知識を伝えるだけよりもわかりやすくなったり、場面といっしょに覚えてもらいやすかったりする効果があるんじゃないかなとは思います。

ぜひ、川上さんの本と合わせて、お子さん、親御さんにも読んでみていただきたいですね。

春仲さんがその場で描いたグラフィックレコーディング

〈対談者プロフィール〉
深沢真太郎(ふかさわ・しんたろう)
ビジネス数学教育家。BMコンサルティング株式会社代表取締役。一般社団法人日本ビジネス数学協会代表理事。数字に強いロジカルパーソンを育成する「ビジネス数学教育」を提唱する人材育成の専門家。明治大学客員研究員。日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。初のビジネス数学検定1級AAA認定者であり、日本数学検定協会が認定する国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター。ソフトバンク・京セラ・三菱UFJなど大手企業をはじめプロ野球球団・トップアスリート・学校教員などに研修提供する傍ら、「ビジネス数学インストラクター制度」を設立し講師育成にも従事。著作は『思いつきって、どうしたら「自分の考え」になるの? 直感を論理的な意見にする授業』(日本実業出版社)など30冊以上ある。

『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』
川上徹也、春仲萌絵(著)
定価:1,540円(税込)
ISBN:978ー4-06-533053-1
イラスト©春仲萌絵
読者対象:小学校4年生以上

日常生活のなかにある「ことばのふしぎ」を通じて、国語の楽しさ・奥深さが、マンガとイラストで楽しく学べる新感覚・日本語教養エンタメ本です。

18 件
かわかみ てつや

川上 徹也

Kawakami Tetsuya
コピーライター

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

はるなか もえ

春仲 萌絵

Harunaka Moe
グラフィック・クリエイター

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。