シンガポールキッズはチアのならいごとでプレゼンマインドを身に着ける!?

「世界の子どものならいごと」 #4 シンガポール編

背伸び気分で参加! ノンアルコールドリンクのワークショップ

料理好きのあいちゃんが、最近特に楽しかったというのが、トロピカルフルーツの果汁たっぷりのモクテル(ノンアルコールのカクテル)のワークショップでした。

「このワークショップでは、プールサイドで飲みたくなるようなドリンクを3種類作りました。

いろいろな種類の果汁や、シロップをミックスする作業が実験みたいで、楽しかったようです」(栗尾さん)

「完成したいろいろな種類のジュース。ココナッツベースがお気に入りでした。お友達に作ってあげる機会が楽しみです」(栗尾さん)。  写真提供:栗尾モカ

英語は学校で、中国語は独習で習得

国内外ともに、ワークショップへの参加時は、英語で対応しているというあいちゃん。英語はシンガポールの公用語のひとつで、街中でのやりとりも基本英語です。

「娘の通う小学校は、週に3回ネイティブの先生による英語の授業があります。さらに放課後、英語塾に通うという子も多いですね。

日常生活を送っていたら英語ができるようになるわけではなく、シンガポールで暮らす日本人の子どもたちは、みんな努力をしています。

さらに娘は、中国語で歌を歌うというオンラインサークルにも入っているのですが、そのため独学で中国語も学んでいます。

本人が好きで、自ら楽しんで学んでいる姿を見ると、ならいごとは好きな気持ちが一番大切だなあ、と。

娘がタクシーの中で、中華系の運転手さんと中国語でやり取りをしている姿は、頼もしく感じるほどです」(栗尾さん)

IT国家ゆえの基礎教養としてのプログラミングへの関心

そして、シンガポールはアジア圏の中でも特にIT国家。行政サービスのオンライン化も日本よりずっと進んでいます。栗尾さんは、コロナ禍で、さらにそれを実感したと言います。

「新型コロナウイルスの状況は、毎日携帯のアプリを通じてシンガポール政府からお知らせが来るのですが、集合してもよい人数の増減など、よく変更になるシンガポール国内のレギュレーションについても携帯をチェックしていれば取りこぼすことがありません。

IT技術が当たり前の日常のため、シンガポールではプログラミングを習っているという子も多くいますね。

英語と同じようにプログラミングができることは、すでに基礎教養になりつつあるように感じています」(栗尾さん)

「シンガポールのマリーナベイサンズのワークショップにもよく参加しています。こちらはサイエンス・ミュージアムにある、デジタルコンテンツの開発を行う、日本でも人気のチームラボのアトラクション。自分で描いた魚を巨大スクリーンに泳がせるプログラムです」(栗尾さん)。  写真提供:栗尾モカ

「ちなみに、シンガポールでコロナ対策が始まった頃、娘の通う小学校ではGoogle class roomを使った授業が前倒しで始まりました。

生徒同士オンラインで意見交換し、動画のプレゼン資料を作成して共有したり、とても楽しそうに行っていました。

現在はインターネットにつながるのはパソコンやスマホなどの端末ですが、あらゆるサービスが近い未来、インターネット上で完結するIoT化された世界が訪れるだろうと普段の生活から感じました。

そのため、シンガポールに多数あるSTEAM教育のスクールを訪ねるようになり、子どもにもプログラミングを学んでほしいと思うようになりましたね。娘は理系の勉強が得意なので、現在は本人も楽しんでやっています」(栗尾さん)

「シンガポールの現地企業『シェルパス』の光のプログラム。シンガポールの代表的建築である、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの照明デザイナーが授業をしてくれました」(栗尾さん)。  写真提供:栗尾モカ

多様な文化を持ち、多言語国家であるシンガポールでは、多くの日本人の子どもたちは言語の学習をしていることがわかりました。

また、IT国家でのシンガポールでは、すでにプログラミングが基礎教養になりつつある、というのは驚きですね。

多彩なチャンスに囲まれた、シンガポールの子どもたちの成長が楽しみです。

取材・文/上坂美穂

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