シンガポールキッズはチアのならいごとでプレゼンマインドを身に着ける!?
「世界の子どものならいごと」 #4 シンガポール編
2022.02.09
子どものならいごとは万国共通の関心事。世界各地で暮らす日本人親子のみなさんに、現地のならいごとについて聞いてみました。
第4回は、シンガポール在住の栗尾モカさんご一家です。
●mama&kids Data●
ママ:栗尾モカさん
【お仕事】
記者&漫画家
長女:あいちゃん(仮名)9歳
【ならいごと歴】
チアリーディング(継続中)→水泳→中国語(継続中)→プログラミング(継続中)→料理教室(継続中)
シンガポールの人口は、およそ545万人(2021年6月時点)。法人税の安さをはじめとした税制制度、東アジアの金融のハブとしての機能が評価され、世界のビジネスシーンを牽引する都市のひとつです。
もともと中華系、マレー系、インド系の住民が住むため、民族の差別も少なく、公用語は英語、中国語、マレー語、タミール語。言葉ひとつとっても多様性に富んでいます。
栗尾モカさんご一家は、シンガポール在住4年。栗尾家の習い事には、そんな多民族国家に住んでいるからこその選択眼がありました。
チアリーディングで「舞台度胸」を身につける
ママの栗尾モカさんは、日本の女性誌などに寄稿するフリーランス記者。日本企業の駐在員である日本人のパパと、9歳の長女・あいちゃんと3人暮らしです。
シンガポールの前はジャカルタに住んでいたという栗尾さん。ジャカルタ時代からあいちゃんが続けているならいごとがチアリーディングで、これにはある狙いがあったと言います。
「それは、『舞台度胸』をつけることなんです。
大舞台に立ち、ワザを決める力、魅せる力、集中力。そういう力をつけてほしいと思い、習わせました。
もっとわかりやすく言えば、ここぞというときに“自分をプレゼンする力”ですね。
プレゼン力は、一朝一夕に身につけられるものではないと思い、幼い頃からスタート。
舞台度胸をつけるなら、ピアノの発表会でもいいと思うのですが、チアならチームワークも学べます。そこも魅力に感じているひとつですね」(栗尾さん)
「現在は週に1回、1時間ほどの練習をしています。先生は日本人で、ジャカルタ時代もそうでした。
普段の練習は、二人一組で柔軟体操をしたり、『ミッキー』など定番の曲でダンスの練習をしたりします。
進級テストはY字バランスや逆立ちなどの技もあり、ピシッと決めるのはなかなか大変。
ユニフォームの色は、上のクラスになると変わっていくので、それを目標に練習しています。面白いのは、上手な子になるとなぜかポニーテールが高い位置に上がっていくんです(笑)それが見ていてかわいいですね」(栗尾さん)
自分を主張して、相手も認めるのがシンガポール流
自分をプレゼンする力をつけていくことは、シンガポールという、多様性をベースにした社会に生きるためには、欠かせないことだと栗尾さんは言います。
「中華系、マレー系、インド系という、多様な文化を背景にして、人々が混じりあっているこの国では、いかに自分をプレゼンするか、を常に求められています。
それと同時に、自分と異なる相手を認める、ということも必要です。
娘の学校では、それぞれの民族の祝日(学校は休みになる)の前日に、民族衣装を着ていく日があります。
このように、学校が多国籍のメリットを理解するように働きかける取り組みを、頻繁にしてくれるので、“みんな違ってみんないい”という感覚を娘も自然に持つようになりました。
それを自然に養うシンガポールの学校は、素晴らしいなと感じています」(栗尾さん)
スイミングスクールは自宅のプールに先生が来る!
さて、ならいごとの話に戻りますが、4年前シンガポールに来た当時、あいちゃんはスイミングも習っていました。そのスクールのスタイルが、日本では考えられないものだったと栗尾さん。
「シンガポールでのスイミングは、先生がこちらのプールまで出張して教えてくれるというものでした。
毎回プログラムがきちんと決まっている、日本のスイミングスクールより、かなり自由です。先生は、親切なシンガポール人の方。お友達とのグループレッスンです。
時間はだいたい放課後に、プールのあるコンドミニアムのお友達のところで泳いだり、我が家のコンドミニアムのプールに来てもらったり。
場所も安心だし、友達と一緒に進んで運動してくれるので、ママ同士で喜んでいました。
そもそも、海外のビーチに行った時にも役立つようにと、習わせ始めたのですが、目的を達成した今、レッスンは辞めてしまいました」(栗尾さん)
「ちなみに、シンンガポールは、日本人コミュニティが確立しているので、茶道からそろばん、中学受験塾まで、日本のならいごとは、ほぼなんでも習うことができます。
それと、現在習っているもの以外にも、国内外問わず、いろいろなワークショップを見つけては、我が家では積極的に参加するようにしています」(栗尾さん)