子どもが自分で調べ、学ぶために大切な「楽しさ」

【スペシャル対談】ゆる言語学ラジオ✕川上徹也(後編)

堀元さん:
僕もじつはゲームに育てられたところがあって、小学生のころ、ポケモン(ポケットモンスター)の対人バトルにめちゃくちゃハマってたんですよ。

北海道の公立のいちばんの進学校に通ってたんですけど、そこってポケモンプレーヤーばっかりで、学年内のランキングもあって、その順位を巡ってつねに切磋琢磨してました。

ポケモンの対人バトルって、本気で勝とうと思うと計算力とか、相手の心理を読む洞察力とかがめちゃくちゃ必要なんですよね。でもこれってかなり高度な知的作業で、すごい集中力が必要なんです。

だから、僕はポケモンで知的能力が育まれた気がする。子どもが真剣になって取り組んでいることを中断させて勉強させるより、よっぽど能力が伸びるんじゃないかなって思います。

川上さん:
役に立つことばかり追求することが本当に将来の役に立つのかは、かなり疑問ですね。スティーブ・ジョブズも、大学生のときに純粋な興味本位でカリグラフィーについて学んで、それがのちにMacのフォントづくりに活かされたという逸話もありますし。

撮影:講談社児童図書出版部

水野さん:
そういう意味でも、川上さんの本で最後にちゃんと参考文献一覧を載せてくれているのは、改めていいことだなって感じますね。この本をきっかけに日本語のふしぎに興味を持ってくれた子が、自分でもっと調べるための資料になりますから。

川上さん:
そんなふうに読んでくれるとうれしいですね。もちろん、この対談をきっかけに、お二人の「ゆる言語学ラジオ」も親子で見てくれる人が増えるとうれしいです。

【対談者プロフィール】
堀元見(ほりもと・けん)
作家、YouTuber、Podcaster。1992年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業。大学卒業後、就職せず「インターネットでふざける」を職業にする。チャンネル登録者21万人を擁するYouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」も出演/プロデュース。著書に『教養悪口本』(光文社)、『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』(徳間書店)などがある。

水野太貴(みずの・だいき)
1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒。専攻は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務める。小学校では難読漢字に、中学校では辞書に、高校では英単語の語源や英文法にハマり、半生を言語沼で過ごしてきた。堀元見との共著『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(バリューブックス・パブリッシング)がある。

『もえとかえる ことばのふしぎ大冒険』
川上徹也(文)、春仲萌絵(絵)
定価:1,540円(税込)
ISBN:978-4-06-531752-5
イラスト©春仲萌絵
読者対象:小学校3年生以上

「おにぎりとおむすびの違い」「緑色なのに青信号とよぶ理由」など、日常生活にあふれるさまざまな日本語のふしぎを、言葉を話すふしぎなカエルと、小学生の女の子が解き明かしていく新感覚・エンタメ日本語学び本。

24 件
かわかみ てつや

川上 徹也

Kawakami Tetsuya
コピーライター

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

大阪大学人間科学部卒業後、広告会社勤務を経て独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者として知られる。言葉のプロとして日本語の成り立ちや語源についても研究を続けており、その奥深さや美しさを「やさしく深くおもしろい」をモットーに伝えていくことを使命にして、作家活動を続けている。 著書は『マンガで笑って、言葉の達人!超こども言いかえ図鑑』(Gakken)、『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』(ポプラ社)、『ザ・殺し文句 』(新潮新書)、『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(文藝春秋)などがある。海外にも20冊以上が翻訳されている。

はるなか もえ

春仲 萌絵

Harunaka Moe
グラフィック・クリエイター

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。

1997年生まれ。埼玉県出身。跡見学園中学・高校、学習院大学経営学科卒業。2017年よりグラフィックレコーディングを開始し、多くのイベントや会議、セミナー等へ参加。グラレコのほかに図解イラストやホワイトボードアニメーションなど、グラフィックの力を使って想いを彩る「グラフィック・クリエイター」として幅広く活動中。やわらかさ、あたたかさ、エモさにこだわった手描きのイラストや文字での表現を得意とする。 主な仕事として『400年前なのに最先端! 江戸式マーケ』(川上徹也/文藝春秋)の図解イラスト、テレビ朝日「おるおるオードリー」やTOKYO FM「山崎玲奈の誰かに話したかったこと。」(ダレハナ)でのグラレコなどがある。