思春期の子どもの「精巣・金玉・睾丸」はセルフチェックが重要! 泌尿器科医がわかりやすく解説

泌尿器科医・岡田百合香先生に聞く、「精巣(金玉)」トラブル #3 ~思春期編~

泌尿器科医:岡田 百合香

細菌感染からの炎症「精巣上体炎」

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もうひとつ、細菌感染による精巣の炎症で「精巣上体炎」があります。

イラスト/オヨネ

「精巣上体というのは、精巣の上のほうにちょこんとかぶさっている臓器。こちらはまた違う種類の細菌感染によって起こるのですが、性感染症などが原因にある場合もあります。菌は、尿道から逆行性で入ってくることが多いとされています」(岡田先生)

思春期・成人期以降だと、性感染症であるクラミジアや淋菌などが一般的な原因で、尿道に炎症を起こし、それが精巣上体まで広がるというケースがあります。

「炎症が起こると、陰囊が腫れて、熱を持ちます。精巣の痛みから、精巣捻転を疑う場合もありますが、尿検査で細菌感染がないか、エコーで血流が通っているか、などで判断ができます」(岡田先生)

これら、精巣炎や精巣上体炎の治療は基本的には対症療法で、細菌感染がある場合は抗菌薬を投与します。適切な治療を受ければ、症状は1週間ほどで落ち着いてくる場合がほとんどです。

まずは病院で診断を

思春期以降は性感染症、細菌感染が主な原因ですが、小児が精巣上体炎を起こす場合は原因不明のことも多いと言います。小さな子どもが精巣上体炎を繰り返す時は、尿の通り道の先天異常などがないか検査が必要です。

「精巣関連の異常については、まずは病院で診断を受けることを優先してください。『精子は熱に弱い』というのは割とよく知られていますが、自己判断による『自宅で冷やして様子を見よう』というケアについては推奨できません」(岡田先生)

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