子どもの「スマホ内斜視」 小児眼科医が解説する「両目が内側に寄りすぎる症状」とは

【デジタル時代の子どもの目のトラブルとケア #2】すぐにスマホを子どもに与えてしまう育児には要注意!

毎日3~4時間のスマホで「スマホ内斜視」に!

スマホ内斜視は、両目が内側に寄りすぎる状態を指します。どのような斜視にせよ、正しくものを見ることができていません。 イメージ写真:アフロ

斜視には内斜視だけでなく、左右どちらかの黒目が外側に向く「外斜視」などもありますが、いずれにせよ、見え方に問題が出ます。

「斜視は黒目の向きが内側だったり、外側だったり、正常ではない状態を指しますが、どの状態でも左右両方の目で正しくものを見ることができません。

この症状が目の機能が完成する期間にあると、視覚機能の発達そのものに影響するため、ものが二重に見えたり、立体的にものを捉えられなくなったりします。

斜視の治療には目の動きの訓練などがありますが、多くは眼球周辺の筋肉の手術です。それも早い段階で治療したほうが、見る機能への影響も低くなります。

斜視は見た目も左右するので、乳幼学童期の目の育ちには注意したいものです」(三木先生)

別の研究では、毎日3~4時間、スマホやゲームを使っていたら約3ヵ月後に突然、内斜視を発症したというケースも。また、デジタル機器を使用したことによる内斜視は、子どもの発症者が多いという報告もあります。

「私がスマホ内斜視を診断した若者の場合、1日6時間や8時間というように、空いている時間はとにかくスマホを見ていたケースがあります。

デジタル機器の長時間視聴は、男の子だから女の子だから多いとは限りません。男女問わず、その傾向が見られます」(三木先生)

スマホ内斜視の診断は、医師が子どもの生活を四六時中、見ているわけではないため判断が難しい領域です。しかし、デバイスと接触している時間の長さやスマホを利用するようになってから症状が現れたなど、時間との関連性は無視できません。

子どものデジタル機器の使用は、親がしっかりとルールを作り、管理することが大切です。

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