流行中「百日ぜき」 小児科医に聞いた親が知っておきたいこと 乳児は強い咳でミルクが飲めなくなる事例も

「百日ぜき」#1 基礎知識と家庭でできる対策

小児科専門医・アレルギー専門医:岡本 光宏

咳がつらいときの家庭でできるケア

──ちなみに、咳がつらそうなときに、家庭でできるケアはありますか?

岡本先生:はい。百日ぜきに限らず、咳が続いているときには、ご家庭で少しでも楽にしてあげるための工夫があります。完全に咳を止めることは難しいですが、こうした対応で症状が和らぐこともあります。

● 部屋の湿度を保つ(加湿器がなければ、濡れタオルでもOK)

● こまめな水分補給(喉の乾燥を防ぐ)

● 寝る前のはちみつ(1歳以上/ティースプーン1杯程度)

百日ぜきは、インフルエンザのように一気に広がるタイプではありません。しかし、特に乳児がかかると重症化しやすい病気です。

そのため、「うつさない工夫」と「予防接種」の両方を意識しておくことが大切です。

次回では、百日ぜきのワクチンについて詳しくお話ししましょう。

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百日ぜきの流行が続くなか、「咳が出ているけれど、もしかして……」と、特に赤ちゃんや小さなお子さんがいるご家庭では、不安を感じると思います。


しかし、百日ぜきは初期の診断が難しく、咳が長く続くことで初めて疑われるケースも少なくありません。だからこそ、まずはかからないように「予防」することが大切になります。

次回2回目では、その予防の要となる「百日ぜきワクチン」について、引き続き岡本先生にお話を伺います。

取材・文/山田優子

「百日ぜき」は全2回

※2回目は公開時からリンク有効

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おかもと みつひろ

岡本 光宏

小児科専門医・アレルギー専門医

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

おかもと小児科・アレルギー科院長。日本小児科学会小児科専門医、認定小児科指導医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、臨床研修指導医、日本周産期・新生児医学会新生児蘇生法インストラクター、アメリカ心臓協会小児二次救命処置法インストラクター。 2009年奈良県立医科大学部卒業。同年神戸大学大学院医学研究科小児科学分野に入局。姫路赤十字病院、明石医療センターを経て、2019年より兵庫県立丹波医療センター 小児科医長。 2023年7月、兵庫県三田市で「おかもと小児科・アレルギー科」を開院。新生児から思春期の心の疾患まで幅広く診察している。3児の父として、子育てにも積極的に関わる。 著書に『研修医24人が選ぶ小児科ベストクエスチョン』(中外医学社)、『小児科ファーストタッチ』(じほう)など。 サイト「笑顔が好き」 https://pediatrics.bz/

やまだ ゆうこ

山田 優子

Yamada Yuko
ライター

フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。

フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。