レ・ロマネスクTOBI 引き算ができなくても慶應大学に合格したワケ

レ・ロマネスクTOBIさんインタビュー#3~勉強編~

広島県屈指の進学校・私立修道高校、慶應大学卒業と高学歴なTOBIさん。
写真:水野昭子

音楽ユニットであるレ・ロマネスクのTOBIさんへのインタビュー第3回。TOBIさんは、実は慶應義塾大学出身という高学歴。

「両親は教育熱心ではなかった」という家庭で、どのように勉強にはげみ、難関大学を攻略できたのかを伺いました。

レ・ロマネスクはフランスで結成された。左がTOBIさん、右がMIYAさん。
写真提供:キューブ

小5から官僚をめざし 自ら勉強

奇抜なパフォーマンスで観衆を沸かせるレ・ロマネスクのTOBIさんですが、学生時代は成績優秀。広島県屈指の進学校である私立修道高等学校から慶應義塾大学(以下、慶應大学)に進んだという高学歴です。

教育熱心な家庭ではなかったものの、東京への強い憧れを抱いた小学5年生から、自発的に勉強にはげみます。幼い頃のTOBIさんの夢は、官僚になることでした。

「自営業だった実家が裕福とはいえなかったのもあり、安定した給与がもらえる仕事に就きたかったんです。その中でももっとも強い(安定している)のは何かを考えたときに、国家だなと。

それで公務員、その中でトップに見えた官僚になろうと思いました」

TOBIさんが育った地域は広島県の比婆郡(現在:庄原市)。山里で誘惑が少なくスポーツが苦手だったこともあり、図書館で本を借りて読むのが趣味の子どもでした。

土地柄、農業高校や工業高校を卒業して地元で働く人が多かったため、当時、大学進学を目指す家庭は少なかったそうです。

「宿題が出ることはあまりなく、ゆったりした学校でしたね(笑)。

水曜日は山で缶蹴りをするのが授業だったり、ゲームとか何でも持ってきていい日が月に1回あったり。給食を食べて帰るだけだった印象が強いです。だから、僕も含めてあまり勉強していなかったと思います」

小学5年生で東京に出ることを決めたTOBIさんは、そこから逆算して中学受験には間に合わないと判断。高校受験を頑張ると決意して、中学2年生のときには、自宅から20km離れた地元で唯一の学習塾に通います。

その甲斐あって、同年に受けた模擬試験で県の上位に入り、自信を深めました。

進学した修道高等学校は自宅から通学できる距離ではなかったため、下宿生活をスタート。広島県トップクラスの進学校で、授業についていくだけで精一杯でしたが、下宿先が高校から徒歩30秒ほどで誘惑がなかったのが奏功し、TOBIさんの学力は順調にアップしていきました。

ただ、国語だけはずっと苦手にしていたそうです。

文系で受験科目に「数学」を選ぶ強み

「国語の読解問題の『この時の作者はどういう思いでしょうか?』みたいなのが全然できなくて。作者の真意なんて本人にしかわからず、実際は出題者の意図を考えるものだと思うんです。

著者でも問題が解けないことがあるといいますし。それが僕には難しかった。あとは『ひっかけ問題かも知れない!』とか深読みして思いっきり間違えたり(笑)」

「国語、特に現代文は本当に苦手でしたね(笑)」(TOBIさん)
写真:水野昭子

一方、得意科目は数学。特に関数や角度を出す問題など、さまざまな視点から一つの正解にたどり着く問題は、解くのが楽しかったそうです。

やがてTOBIさんは、私大トップクラスとされる慶應大学経済学部に見事合格します。その際の受験科目には数学を選択しました。

「文系で数学が得意だとすごく有利なんです。多くの人が世界史や日本史で受けるので、数学だとライバルが少ない。経済学部なら授業でも数学を使うので、それで受験する方が入りやすいというのはあると思います」

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