42歳・高齢出産　抜け毛・白髪…「産後美容」の極意を人気美容外科医が明かす

人気美容外科医・上原恵理先生インタビュー３回目。前回では、15年ぶりの育児に奮闘中の上原先生に、実際に使っているお気に入りのサポートアイテムを教えてもらいました。

上原先生は、SNSで果敢に攻めている産後美容の様子をSNSで公開されています。最終回となる３回目では、産後美容についてと赤ちゃんのスキンケアについてお話しいただきました。

（全３回の３回目。１回目を読む。２回目を読む。前回の妊娠中インタビューを読む）

──前回では、実際に使っておすすめの便利育児グッズについてお話しいただきました。今回は、本業の美容についてお伺いします。まずは、赤ちゃんのスキンケアから。おうちではどんなことを実践されていますか？

上原恵理先生（以下、上原先生）：新生児はとにかく肌が薄く、乾燥しやすいので、お風呂上がりにワセリン系のプロペト（※注１）を全身に塗っています。ワセリンについては私自身、これまでただの油の軟膏というイメージしかなくてあまり期待していなかったのですが、実際に使ってみて、その効果にびっくりしました。

上原先生：生まれたてのころ、息子がオムツかぶれになったんですね。お尻全体が赤くなって、肛門まわりなんかは擦り傷になって、皮がめくれちゃうくらいひどかった。そこでプロペトを使ったところ、数日でピタッとキレイに治ったんです。赤ちゃんには、すごく必要なケアなんだなと解って、今も毎日、お風呂上がりにまじめにプロペトを塗っています。

――塗り方のポイントやコツはありますか？

上原先生：わりとたっぷり塗っていいと思います。お風呂上がりの肌に塗るとテカテカになっちゃうんですけど、しっかり使ってあげてください。お股の間や、お尻の割れ目、脇や首など、皮膚の中に埋もれちゃいそうなところにも念入りに。

息子は、うんちを爆発させるし、おしっこの量も多いんですけど、かぶれやあかぎれなどは一切ないです。ワセリンがオムツの蒸れをブロックする役割もしてくれているんだと思います。

──日焼け予防についてはいかがですか。

上原先生：私が手がけているコスメブランド「Lov me Touch（ラブミータッチ）」の「シルキーUVミルク」をぜひ使ってみてください。赤ちゃんもママも使える、肌にやさしい日焼け止めミルクです。生後６ヵ月～３歳の乳幼児試験をクリアし、紫外線吸収剤フリーで、安全性にも配慮しています。

――赤ちゃんとお母さんが同時に使えるのがいいですね。親子で一度に塗れるから、時短にもなりますし。

上原先生：私のインスタのフォロワーさんには、「自分が塗った（大人用の）製品が、自分の手や顔から赤ちゃんの身体に伝わってしまうのが心配」という方が結構いらっしゃるんです。

私はそこまで深く考えていなくて、単純に「自分が使いたいもの」という動機で商品開発をしたUVミルクでしたが、赤ちゃんとの触れ合いが多いお母さんも安心できるというのはすごく必要とされているんだな、と感じました。

──インスタといえば、息子さんの「折れ耳」と「へそヘルニア」の処置をされたお話に驚きました。どちらも赤ちゃんにはよくあることなんですか。

上原先生：耳の変形は意外とあるんですよ。私はもともと形成外科出身なのでわかるのですが、ほとんどの人は気づかないです。

上原先生：おへそが突出した状態になる「へそヘルニア」もわりとよくある症状で、圧迫療法で治る可能性があります。

うちの息子の場合、将来的に治らなかったら手術するつもりなので、だったら今のうちにやっておこうとの思いからで。でも、実際に処置の画像をSNSで公開したところ、周りからの反響が結構ありましたね。

赤ちゃんのことでも、気になることがあれば、あまり気負わずに、形成外科に相談するといいですよ。

──先生の産後美容についても興味津々です。特に産後の抜け毛や白髪はどうケアしていますか。

上原先生：15年前の初産のときは髪がごそっと抜けたんですが、今回抜け毛はさほど気になりませんでした。でも、とにかく白髪がすごくて……。そこで「老けてみえない髪の毛って何だろう？」と考えたときに、
・「パサついている」
・「髪の色が明るすぎる」
・「ハイライトやバレイヤージュが強すぎる」

上原先生：これが、３大要素だと気づきました。ベースは真っ黒よりは少し明るくして、ベースと白髪がなじむようにハイライトを入れ、こまめにトリートメントをするのがおすすめです。

長さに関しては、歳を取ると、相当手入れをしないと毛量やハリ、ツヤの劣化現象でロングヘアは老けて見えるので注意が必要です。そうかといって、ショートボブだと、オムツの世話や沐浴で前屈みになったときに髪が邪魔になるので、少し束ねられるくらいがちょうどいいなと思い、今は少し伸ばしています。

ホルモンバランスの変化で、高齢出産は美容面での問題が大きい。加齢は受け入れなくてはいけないことだし、産前の状態を取り戻すのは大変なことですが、育児を頑張るためにも、自分の心の栄養になる美容ケアは必要です。

上原先生：よく患者さんやフォロワーさんから、「妊娠中からできる美容を教えてください」って聞かれるのですが、私はいつも「妊娠中に、制限があるなかで無理やり頑張るよりは、産後の体調が整ったときに本気でやったほうがコスパもタイパもいいんじゃないでしょうか」とお答えしています。

産後すぐはまだまだ肌が敏感で、身体も思うようには快復しません。ですが、３ヵ月、半年と時間が経ってからでも本気で取り組むと、少なくとも妊娠前の状態までには戻ります。とにかく焦らず、が大事です。

SNSでも公開していますが、私は産後２ヵ月から美容を再開しました。産後と年齢の壁に逆らって、現在頑張っているところです。

皆さんにとって何らかのアイディアになるといいなと思って、顔を張ってちょっと真似できないような激しい施術も行ったりしていますが、共に頑張りましょうね！　

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大らかに構え、いつもユーモアを忘れない上原先生。高齢の子育ても産後も、決して悪いことばかりではないな、と思える素敵なお話でした。

体験にもとづいた貴重なお話が盛りだくさんでした。ありがとうございました。

取材・文／鈴木美和

※上原先生の産後インタビューは全３回。
１回目を読む。
２回目を読む。
産前時のインタビューはこちら。