年末年始の忙しない時期がやってきました。ママライターである私も、本当なら毎日ゆっくり自分の好きな絵本を読みたいけれど、なかなか自分の時間がつくれない! 仕事に家事にと忙しく、子どもと一緒に寝落ちする毎日です。
そんなとき、電子書籍化された絵本のラインナップに、気になる絵本がたくさんあることを知りました。長年、電子書籍に抵抗のあった私ですが、さっそく取り入れてみることに。結果、子どもとの関わりを大切にしながら、自分も満たされる時間をつくることができたんです!
この記事では、電子書籍で絵本を読むことのメリットと、電子書籍化された大人にグッとくる5冊の絵本を紹介します。
何冊でも持ち歩けるのが最大の魅力!
ママライターである私が電子書籍で絵本を購入してみて、3つのメリットがあると感じました。
①何冊持ち歩いてもかさばらない
ただでさえ荷物が多くなる、子どもとのお出かけですから、エンタメ類はなるべく軽くしたいですよね。電子書籍の絵本なら、何冊ダウンロードしてもタブレット1つで賄えます。
②購入後すぐ読める
子どもと一緒にネットショッピングをすると「今すぐ欲しい!」と駄々をこねられたことはありませんか。電子書籍なら、ポチッとダウンロードしたらすぐに読める! 子どものストレスも軽減されます。
③高画質で読める、拡大できる
電子書籍の画質はとにかくクリア! 美しい色をそのまま味わえます。また気になるところを、指でズームして見れるという、電子ならではの新しい楽しみ方もあります。
電子で絵本を読むのは、子どもにとっても大人にもとっても、いいことだらけなんです!
ライター激推し! 大人が癒される絵本5選
ここからは電子書籍化されている絵本のなかから、子どもが楽しむだけでなく、大人も癒されると感じた絵本を紹介します。
『ゆらゆら』作:北澤平祐
のんびり、のろまな流れ星「ゆらゆら」が、誰かの願いを叶えるために、時や場所を超えてさまようお話です。
作者の北澤平祐さんは絵本のみならず、お菓子のパッケージやCDジャケットなど、幅広い分野で活躍中。横浜土産で有名な「洋菓子のフランセ」は、北澤さんが箱や紙袋のイラストを描いています。
絵本『ゆらゆら』には、北澤さんらしい美しい構図で、お話が進んでいきます。表紙はシンプルな色づかいですが、中には「可愛い!」と叫びたくなるようなカラフルなページも。
色彩のコントラストがお話の味になっているので、タブレットやスマートフォンのクリアな画面で、体感してほしい一冊です。
『ひとりひとり』文:谷川 俊太郎 絵:いわさき ちひろ
谷川俊太郎さんの詩に、美しいいわさきちひろさんの絵が添えられた、宝物のような絵本です。
谷川俊太郎さんの詩は、生まれたての瑞々しい言葉で、読む人をはっとさせます。「ひとりひとり」の詩は、人間はひとりぼっちだけど、大局で見れば人間は同じ生き物で助け合って生きていく存在なんだと、俯瞰する視点を与えてくれます。
また、いわさきちひろさんの水彩画が、儚げに見えることもあれば、力強い筆致にも見え、谷川さんの詩にぴったりの世界観を表現しています。
小さなことでくよくよと悩みそうになったとき、まるで哲学書のように、生きることの意味を教えてくれます。
『クリスマスマーケットのふしぎなよる』作:たなか 鮎子
日本でもイベントなどで、馴染みが増えてきたクリスマスマーケット。クリスマスを飾り付けるオーナメントや人形が売られて、とっても華やかですよね。
そんなクリスマスマーケットを舞台に、小さな奇跡の物語を描いたのが『クリスマスマーケットのふしぎなよる』です。
物語ももちろんのこと、たなか鮎子さんのイラストがとっても素晴らしい! 夜の景色を青一色で表現しているのに、まるでゴッホの絵のようにたくさんの違う青色で構成されて、ずっと眺めていたくなります。
擬人化されたオーナメントやランタンもとっても可愛いので、ぜひクリスマスの時期の読み聞かせにおすすめしたい一冊です。
『くろ』作:きくちちき
『くろ』というタイトル通り、表紙も中ページも黒がふんだんにつかわれた、斬新な絵本です。犬の「くろ」が「あいたいな」と想いを募らせる相手とは、誰なのでしょうか。
少ない文章とは対照的に、きくちちきさんの勢いのあるイラストが、「くろ」の強烈に「あいたい」気持ちを雄弁に表現しています。会いたい期待、会えるかわからない不安、その気持ちを全身で表した犬「くろ」は、見る人の心を揺さぶります。
そして会えたとき、「くろ」はどんな表情になるのでしょうか。誰にでもあるピュアな「あいたい」の気持ちを思い出せてくれる、躍動感に溢れた一冊です。
『こころ』著:金子みすゞ 絵:いもとようこ
金子みすゞさんの詩は言葉がリズミカルで、音読したくなる詩です。いま小さなお子さんを持つ親御さんも、小学生の頃に授業で音読した方は多いのではないでしょうか。
しかし意外にも詩の内容は、子どもが初めて抱える小さな罪悪感や、かなしみに触れたものが多く存在します。
たとえば弟の分も食べてしまったことを告白する「お菓子」という詩。自分語りで小さな罪を告白する金子さんの詩は、読む人を「そういうことも、あるよねえ」と優しく包み込みます。
子どものころに親しんだ詩を改めて読むと、きっと新たな発見があるでしょう。またお子さんに読み聞かせすることで、お子さんに日本語の美しさや、慎ましい心を伝えるきっかけになるかもしれません。
電子書籍がスマホのなかの「宝物」になる
電子書籍で絵本を読むことは、子どもにも親にも、メリットが多いことがわかりました。
また電子書籍化されている絵本には、日本文学のレジェンドから、新風の絵本画家さんまで、多くの作家さんの書籍が購入できることがわかりました。
電子書籍を購入するようになると、タブレットやスマートフォンのなかに、自分の宝物をためていくような気持ちになります。お子さんと一緒にも、移動などのスキマ時間にも、気軽に癒せる「絵本時間」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。