音楽劇「あらしのよるに」きむらゆういちさん稽古場初見学レポート W主演・白石隼也&南野巴那も意気込み十分!
種を超えた友情を描いた きむらゆういち と あべ弘士の名作
2024.08.23
ライター:中村 美奈子
自分たちにしかできないものにトライした稽古
──今まで1ヵ月半ほど稽古を重ねてきた感想をお願いします。
白石隼也さん(以下、白石):今回は再々演ということで、今まで2回完成された舞台がある中で、僕と南野巴那ちゃんは初参戦。どこまで自分たちの色が出せるかというか、自分たちにしかできないものをやれるかというところをトライして、稽古をしています。(脚本・演出の立山)ひろみさんが、辛抱強く僕たちを見守ってくれたおかげで、なんとか自信を持って、自分たちのガブとメイを観客のみなさんにお見せできるところまで、1ヵ月半くらいミッチリ稽古をしました。オオカミの姿勢は中腰が多く、毎日膝下の筋肉痛があって疲れましたが、今はとても充実した気分です。
──オオカミを演じる他の俳優さんたちと、動きについて話し合いをしましたか?
白石:はい。今回の俳優さんたちは、ダンスや体を動かすことを専門にやっている方が多いので、いろいろな意見を出してくれました。どんな関節の動かし方をしたらガブっぽくみえるのか、教えてもらって演じました。
──南野さんはいかがですか?
南野巴那さん(以下、南野):最初に(立山)ひろみさんから、前の舞台にとらわれない役作りをしてくださいと言っていただいたので、本当にそのとおり、のびのびと白石さんとふたりで、新しいガブとメイを一緒に作ってきました。原作を大切にしながらも、稽古場で毎日少しずつ感情を積み重ね、ふたりの深い友情を丁寧に作ってきたので、本番の舞台、日生劇場に立ったときに、この物語をしっかりとお客様に感じていただけるように演じたらなという思いでいっぱいです。
──ヤギの演技は難しかったですか?
南野:身軽さを表現するために、足先まで動きをコントロールするなど、みなさんにたくさん教えていただきました。私は、今回のメイのように、登場人物の半生を一気に演じるという経験が初めてだったので、感情の起伏をどう演技で表現するかなど、1シーンごとに役者の先輩である白石さんに細かく、丁寧に教えていただいて。うまくできない自分に毎日悔しい思いをしながらも、少しずつお芝居の研究をしてきた今は、1日1日がすごく楽しくて、ずっと稽古場にいたいくらい(笑)。集中してお芝居をするのは、こういうことなんだと実感することができて、これからもお芝居をして生きていきたいなと思える時間を過ごすことができて、幸せです。
──歌のシーンも楽しみですね。
南野:お芝居と歌を同時にやるという表現は、まだまだ未熟なところがたくさんあったので、発声からご指導いただきました。がんばります。
白石:上手い下手はあまり気にせず、お芝居のうちとして取り組み、気持ちを込めて歌えばいいかなと思っています。緊張して音を外すかもしれませんが(笑)、温かく見守っていただけたらと思います。
公演情報
日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024
音楽劇『あらしのよるに』
上演日程:2024年8月24日(土)~25日(日) 11:00/15:00の2回
会場:日生劇場(東京都千代田区有楽町1‐1‐1)
料金(税込):〈S席〉大人5,000円/子ども2,500円 〈A席〉大人4,000円/子ども2,000円
※3歳未満入場不可。子ども料金は、3歳以上中学生以下が対象となります。
上演時間:約2時間(休憩含む)
出演:ガブ:白石隼也、メイ:南野巴那、ギロ:阿南健治 、おばさんヤギ:平田敦子、タプ:木原浩太、バリー:吉﨑裕哉 、ミィ:しらたまな ほか
演奏:鈴木光介(トランペット)、砂川佳代子(クラリネット)、関根真理(パーカッション)、高橋 牧(アコーディオン)、日高和子(サックス)
スタッフ:
原作:きむらゆういち
脚本・演出:立山ひろみ、音楽:鈴木光介(時々自動) 、振付:山田うん
主催・企画・制作:公益財団法人ニッセイ文化振興財団[日生劇場]
協賛:日本生命保険相互会社
※やむを得ない事情により出演者等が変更になる場合があります。予めご了承ください。
チケット購入:
https://famifes.nissaytheatre.or.jp/ticket/
※当日券は、残席がある場合に、日生劇場窓口にて開演の1時間前からお取り扱いいたします。
原作情報
350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ7巻が、この一冊でイッキに読める!!
オオカミのガブとヤギのメイの友情物語に感動した子どもたちも、もう大人になっているはず。「あらしのよるに」を次の世代に手渡すために、そして、あらためて読みなおして味わうために……。
7巻分の物語が一冊で読める、「完全版」の登場です。
産経児童出版文化賞JR賞をはじめ、多くの賞を受賞。映画化・舞台化され、教科書にも掲載、学校の図書館でも大人気の「あらしのよるに」が、迫力の大判で登場。読み聞かせにぴったりです!
子どもたちだけじゃ、もったいない!
「あらしのよるに」シリーズ7冊
児童書の世界では大人気のこの作品、こんどは大人が夢中になる番です。
〈1〉あらしのよるに──奇妙な友情はなぜ生まれたか?
〈2〉あるはれたひに──友情は食欲に勝てるか?
〈3〉くものきれまに──秘密の友だちって、いろいろたいへん。
〈4〉きりのなかで──仲間か? 友だちか? それが問題だ。
〈5〉どしゃぶりのひに──生きるためには、うらぎりも必要なのか?
〈6〉ふぶきのあした──この友情は、もう誰にも止められない……。
〈7〉まんげつのよるに──2ひきの友情ははたして永遠?
きむら ゆういち
東京都生まれ。幼児番組のアイディアブレーンなどを経て絵本・童話作家に。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作品の劇作で、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で日本絵本賞受賞。その他の作品に『きずだらけのリンゴ』『にんげんごっこ』『風切る翼』「おおかみ・ゴンノスケ」シリーズ、「よーするに医学えほん」シリーズなどがある。 きむらゆういちオフィシャルホームページ http://www.kimura-yuuichi.com/
東京都生まれ。幼児番組のアイディアブレーンなどを経て絵本・童話作家に。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞受賞。同作品の劇作で、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で日本絵本賞受賞。その他の作品に『きずだらけのリンゴ』『にんげんごっこ』『風切る翼』「おおかみ・ゴンノスケ」シリーズ、「よーするに医学えほん」シリーズなどがある。 きむらゆういちオフィシャルホームページ http://www.kimura-yuuichi.com/