キリさん
「お待たせ。」
車が停まり、運転席からキリさんが顔を出す。
マッキー
「やけにデカい車だな、こりゃ。」
キリさん
「いいだろ、これ。親父はあんまり金を貸してくれなかったからさ、知り合いのところに寄ってキャンピングカーを借りてきた。キッチン設備もあるし、ベッドもテーブルもある。これなら移動式事務所兼住居としてバッチリだろ?」
マッキー
「へえ、すごいなぁ。」
マッキーがドアを開けると、助手席から段ボール箱やら着替えを詰めこんだ袋やら、ペットボトルやらがドサドサくずれ落ちてきた。
キリさん
「すまん、急いで放り込んだからさ。後ろにつっこんどいてくれ。」
マッキーは地面に散らばった物を拾い始めた。
服やタオルや日用品は実家から拝借してきたものか。
しかし、粘着テープで封をした段ボール箱がいくつもあるのが気になる。
マッキー
「この箱、軽いけどなんなの?」
マッキーがたずねると、キリさんはいたずらっぽい笑みを浮かべた。
キリさん
「バクダンを仕入れてきた。道中、いろいろと……おみやげが必要だろ?」
マッキー
「バ、バクダン!?」
マッキーは目を白黒させた。キリさんはときどき大胆なことをやらかす。
マッキー
(まあ、異常な犯罪組織を敵に回したんだし、こっちも武器は必要だよな……。)
そのときだった。