子どもに読んでほしい!  茂市久美子の名作童話が電子書籍で復活!

あまんきみこ、神沢利子、茂市久美子…。電子書籍で楽しむ講談社の名作童話 #3

『おいなり山のひみつ』
(茂市久美子・作 菊池恭子・絵)
より


電子書籍で続々と復活している講談社の名作童話。

これまでご紹介してきた、あまんきみこさんの「一年生シリーズ」や神沢利子さんの「ぷぷぷうプウタシリーズ」は、小学校低学年が対象でした。今回は小学校中学年のお子さんにぴったりな本をご紹介します。

茂市久美子さんの『ゆうすげ村の小さな旅館』『おいなり山のひみつ』です。

東京書籍の小学校3年生の教科書に「ウサギのダイコン」という物語が掲載されています。じつは、この話は、茂市久美子さんの『ゆうすげ村の小さな旅館』に収録された作品です。

ゆうすげ村の小さな旅館
茂市久美子・作 菊池恭子・絵

ゆうすげ村にあるゆうすげ旅館は、原田つぼみさんという、年とったおかみさんが、ひとりできりもりしています。この小さな旅館には、いつも一風変わった人たちが訪れ、不思議な出来事が起こります。

「ウサギのダイコン」では、旅館を手伝いに来た美月という女の子が、じつはウサギでした。

ゆうすげ村の春夏秋冬のなか、小さな旅館に巻き起こる12の物語から、今回は十五夜の出来事を描いた「おだんごのすきなお客さま」をとりあげます。

今夜は十五夜という日の午後、ゆうすげ旅館の電話が鳴ります。
泊まりの予約ではなく、「明日、おだんごの夕ご飯を作ってほしい」という奇妙なお願いです。

わけもわからず引き受けたつぼみさんが、ススキをとりにでかけると、草むらからこんな声が聞こえてきました。

「今晩、ぼく、なにがなんでも、一等賞とるんだ」
「今年の一等賞は、すごいぞ。ゆうすげ旅館のご飯だもの」

その夜、お月見をしていたつぼみさんは、宴会でもしているような楽しげな太鼓の音を聞きます。音につられて出かけてみると、小さな子だぬきたちが、丸いおなかをつきだして、おなかをたたいていました。

「太鼓みたいに ほらさ! つづみみたいに えいや!」

それは、たぬき小学校の腹鼓大会でした。
さて、一等賞のだんごの夕ご飯は、どうなったのでしょうか……?

ほかの物語も、楽しくて心温まるお話ばかり。こんな旅館なら、一度は泊まってみたいですね!

もう1作、茂市久美子さんの『おいなり山のひみつ』をご紹介します。

おいなり山のひみつ
茂市久美子・作 菊池恭子・絵

小学3年生のひろしは、商店街のプレゼントで、「お山ですごす一週間」があたります。夏休み、ひとりで列車に乗って、たどりついた無人駅には、小さな男の子が待っていました。

「ぼく、けんた。ひろしくんのこと、むかえにきたんだよ。」

けんたという、その子の家ですごすことになったひろし。家の裏のおいなり山には稲荷神社があり、キツネがたくさんすんでいるそうです。

ある晩、都会では珍しい蚊帳の中で寝ていると、となりにキツネの子がいるのに気づきます。

(おいなり山から、やってきたのかな。)

物語は、ひろしとキツネの子の交流を中心に、いなかの夏のくらしを描いていきます。

茂市久美子さんは岩手県出身。おいなり山の風景は、ご自身の故郷がモデルになっているそうです。

2作とも、動物たちが重要な役割を果たすお話で、子どもたちには親しみやすいストーリーです。

150ページ前後のボリュームで、小学校中学年の子どもたちにとってはきっと、本を読んだ充実感を味わうことができるでしょう。お子さんたちにおすすめしてみてはいかがでしょうか?

児童図書編集チーム

講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR

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