4回離婚で4児のシングルマザーMALIA. シングルで幸せ だけど離婚はすすめないワケ

モデルMALIA.流子育て論#4「自身の仕事と幸せ」

モデル・実業家・タレント:MALIA.

「リタイアなんて、まだほど遠い話。これからもバリバリ働いていかなきゃ」と楽しそうに笑うMALIA.さん。  写真:大門徹
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2009年に『Anela Inc.(アネラ インコーポレッド)』を立ち上げ、経営者としての一歩を踏み出したMALIA.さん。

ブラジリアンワックスサロン・Moalani(モアラニ)をはじめ、さまざまなアパレルブランドディレクターを務め、ビューティーブランド・Anela Beauty(アネラビューティー)を手掛けるほか、ANELAONLINE(アネラオンライン)でEC事業を展開するなど、精力的に活動しています。

子育てで忙しいママたちに贈るエール、そしてこれからの自身の展望について、元気をもらえるトークはまだまだ続きます!

※4回目/全4回(#1#2#3を読む)

MALIA.(マリア)PROFILE
本名・新保真里有(しんぼ・まりあ)。1983年生まれ。15歳でデビュー以来、多くの女性誌専属モデルを務め、テレビにも多数出演。長男(21)、次男(19)、長女(17)、三男(5)の4児の母。2023年末には長男に子どもが生まれ、1児の祖母にも。2009年に起業し、ブラジリアンワックスサロン他、EC事業など幅広く展開。2022年にドバイへ移住。

“もっとよくなる”を目指してみんなで社会を変える

MALIA.さんが子育てに向き合ってきて22年。その間に社会にはいろいろな変化があり、子育てに関する環境も少しずつ変わってきています。MALIA.さんはその移り変わりを、どのように見ているのでしょうか。

「たとえば、マタニティマークができたのが2006年。私はそのころに3人目を産み終わっていたから、マークの恩恵は受けられなかったけど、やっぱり今と比べるといろいろと不便な時代で、みんながここまで子育てに対してNICEじゃなかった。だからあのころよりはよくなったと思います。ただ、まだまだ子育てしにくい環境ではあるんじゃないかな」

少子化対策に児童手当制度など、国はさまざまな子育て支援を打ち出しているものの、「まだまだ十分とは思えない」とMALIA.さんは続けます。

「共働きも増えていて、子育てしているママは本当に動きっぱなし! 朝、保育園へ送り、仕事をして、子どもを迎えに行って、帰ったら洗濯、掃除をしてごはんも作るなんてもう超人的!!

だから社会だけでなく、パートナーのテンションももっと協力的に変わるべきだし、実際、少しずつ変わってきているなと感じます。保育園に送り迎えに行くとお父さんが来ていたり、抱っこひもをしたお父さんを街中で見かけたり……。そういうのも、昔は滅多に見なかったから」

この22年で、パパの育児参加といった変化も肌で感じてきたMALIA.さん。これらは“いい変化”ととらえているものの、さらなる先を目指すべきとも言います。

「未来を創っていくのは子どもたちだから、“昔よりはよくなった”じゃなく、“これからもっとよくなる”ことを目指して、みんなでどう変えていくかが重要だし、『子どもを産みたい』と心から思える環境を作ることが大事だと思います」

ドバイへ移住した今も仕事は手を抜くことなく、末っ子ポコちゃんとの時間もたっぷり取っています。  写真提供:Anela Holdings

子育てが大変なママも自分をいたわって

子育てをしながら働く女性の多くが、自分の時間がないことに息苦しさや疲れを感じるときがあります。MALIA.さん自身、ボロボロ&ボサボサの状態で子育てをしていたこともあったそうです。

「私が手掛けるオンラインセレクトショップ『ANELAONLINE』にも、『自分のケアをする時間がない』『自分にはお金をかけられない』というお客様が多くいます。

自分自身の心身は乾いてカラカラなのに、家族を満たしてあげないといけないなんて、とっても大変。もちろん子育てをしている中でそういう日もあるけれど、私はやっぱり、自分のことをできるだけ大切にしてほしいと思っています」

シングルマザーで子育てと仕事に追われっぱなしだったMALIA.さんだからこそ、自分を大切にすることの重要性、でも現実にはなかなかできないというジレンマもよくわかる。その思いは、自社商品の開発にも表れています。

「たとえば私がプロデュースしたスキンケアブランド『FLEYJA.(フレイヤ)』のシートマスク。成分にもこだわったけど、コストパフォーマンスも重視しました。5シートで1,980円(税込)だから、1回あたり396円。外でコーヒーやお茶を1回ガマンすればいいぐらいの価格に設定しました。

フェムケアに関してももう12年やっていて、『顔を洗顔フォームで洗うように、大切なパーツもpH値が顔とは違うから専用のフォームで洗いましょう』と呼びかけています。

そうした自分へのケアが、“自分を大切にする”感覚につながると思っているから。私の会社・Anelaのスタッフにはママやシングルマザーも多いので、彼女たちに寄り添ったものを展開しています」

2023年には会社をホールディングス化、『Anela Holdings』として新たなスタートを切りました。ドバイでの子育ても順調で、「楽しんで子育てできています」と充実した様子のMALIA.さん。そんな彼女に、1人の女性としてこの先求めていきたい幸せは何か聞きました。

「私はこれまでも今も、ずっと幸せです! これから先、目指すことというと、やっぱり自分がさらに自立することかな。

私が『女性は自立すべき』という話をすると、みんな経済的なところだと考えるのですが、そうではなくて、パートナーに自分の気持ちをきちんと示すのも自立だし、『自分のことを大切にしたい』という気持ちも自立への第一歩だと思います。

周りから見ると私は自立しているように見えるかもしれませんが、弱いところもたくさんあります。だから自分がさらに自立すること、自分をもっと大切にすることが目標。人生80年と考えたら、今は折り返し地点に来たところ。まだまだ先は長いから!(笑)」

ずっと働けしっかり稼げる会社づくり

将来に向けての話は、彼女が愛情をもって大切に育てている会社にも及びました。

「私の周りにいるスタッフ、Anelaを選んで働いてくれている子たちが、『ここで働いて本当によかった』と思えるような会社作りはずっとしていきたいと思っています。女の子がずっと働ける環境を守っていきたいし、みんなに稼がせたい。

だから遠距離通勤の子は在宅に切り替えたりするなど、型にとらわれない働き方を採用しています。一般的に代表取締役は外部からヘッドハンティングしてくることが多いけれど、『Anela Holdings』の代表取締役は全員生え抜き。

責任感があり、『これからもっと稼ぎたい』『自立したい』という意欲のある子たちを代表に置きました。代表になることで仕事は大変になるし、プレッシャーを感じる場面も増えると思います。でも、その重圧を感じてこそ得られる対価もあり、それが“稼ぐ”ということだと私は考えています」

3月に刊行したMALIAさんの著書『育児育自論』(A‐Works刊)には、「人生で大切にしたい16のこと」が収められています。今、21歳の長男を筆頭に、19歳の次男、17歳の長女、5歳の三男と、幅広い世代の4児を育てたMALIA.さんが実践した、子育てのメソッドがたっぷり。そしてママ自身の在り方のヒントもちりばめられています。

子どもの幸せを喜び合える相手はいたほうがいい

これまでに4度の結婚と離婚を経験しているMALIA.さん。2023年末には孫が生まれ、離婚について新たな想いが出てきたと語ります。

「“子どもを自分一人で育てる”と離婚を決断するときは強い覚悟もしているから、たいていの大変なことは乗り越えられるんです。

でも、子どもが成人したときや長男のお嫁ちゃんが孫を産んでくれたときなど『こんなに幸せなんだ!』という場面で、その喜びをシェアできる相手がいないと気づいたときに、私は初めて心の中にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。

寂しいともまた違う、新しい感覚でしたね。大変なことのその先に、想像もしなかったような子どものとても幸せな未来が待っていて、その門出に立ち会ったときに、一緒に笑って喜び合える相手がいたほうがやっぱりいいなと改めて感じたんです。

ご縁があって結婚して、いろいろな理由で別れることもあると思いますが、私としては『本当にその選択でいいの?』と、できるだけ離婚を思いとどまってほしいという想いがあります」

「以前の取材で『羽振りのいいおばあちゃんになりたい』と話したら、その年に孫ができたの! 言うと現実になることが多いから、具体的にイメージすることは大事」(MALIA.さん)  写真:大門徹

“子育ては己育て”だという結論にたどり着いたMALIA.さんに、子育てを経験して自身にどんな変化があったと思うか尋ねると、明るく笑いながらこう答えてくれました。

「もう、変化しかないです!(笑) でもいちばんは、心のゆとりが出たことかな。とくに末っ子、ポコちゃんの子育ては、3人の子育てを経験した後だから『まぁ、大丈夫!』と落ち着いて構えられるところがあると思います。

19歳で出産して、29歳でサロンを始めて、39歳でドバイに移住と、自分にとってのターニングポイントが、10代、20代、30代の終わりで来ているから、これから先も……何かあるのかな!? 成長は今もまだまだしているし、これからはお嫁ちゃんやお孫ちゃんから学ぶこともたくさんあると思います。だから『育児育自論』はこれからも続きます!」

撮影/大門徹、取材・文/木下千寿

MALIA.さんが4人の子育てを通して学んだ“人生で大切にしなければならない16のこと”を記した『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(A‐Works刊)。子育てや生き方のヒントがぎっしり詰まっている。

※MALIA.さんインタビューは全4回です(公開日までリンク無効)。
#1
#2
#3

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マリア

MALIA.

モデル・実業家・タレント

新保真里有(しんぼ・まりあ)。1983年生まれ。実業家・モデル・タレント。4児の母。孫が1人。 MALIA.(マリア)として15歳でデビュー。以来、多くの女性誌専属モデルを務め、ファッションイベント等にも出演。その後、テレビ番組にも多数出演するなど人気を博す。 実業家としては、2009年に「Anela Inc.」を立ち上げ、ブラジリアンワックスサロン“Moalani(モアラニ)”他、多数のアパレルブランドディレクターを務め、ビューティーブランド“Anela Beauty”を手がけるなど、ANELAONLINEとしてEC事業を幅広く展開。 2022年に三男の進学を考えてアラブ首長国連邦の都市ドバイへ移住。2023年には「Anela Holdings」へと会社をホールディングス化し、ドバイにも会社を設立。 2024年3月、新保真里有として『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(A‐Works刊)を発売。躍進し続けている。 ・【公式】Instagram @maliarehman ・WebStore「ANELAONLINE」 ・ブラジリアンワックスサロン「Moalani」

新保真里有(しんぼ・まりあ)。1983年生まれ。実業家・モデル・タレント。4児の母。孫が1人。 MALIA.(マリア)として15歳でデビュー。以来、多くの女性誌専属モデルを務め、ファッションイベント等にも出演。その後、テレビ番組にも多数出演するなど人気を博す。 実業家としては、2009年に「Anela Inc.」を立ち上げ、ブラジリアンワックスサロン“Moalani(モアラニ)”他、多数のアパレルブランドディレクターを務め、ビューティーブランド“Anela Beauty”を手がけるなど、ANELAONLINEとしてEC事業を幅広く展開。 2022年に三男の進学を考えてアラブ首長国連邦の都市ドバイへ移住。2023年には「Anela Holdings」へと会社をホールディングス化し、ドバイにも会社を設立。 2024年3月、新保真里有として『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』(A‐Works刊)を発売。躍進し続けている。 ・【公式】Instagram @maliarehman ・WebStore「ANELAONLINE」 ・ブラジリアンワックスサロン「Moalani」

きのした ちず

木下 千寿

ライター

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。

福岡県出身。大学卒業後、情報誌の編集アシスタントを経てフリーとなる。各種インタビューを中心に、ドラマや映画、舞台などのエンターテイメント、ライフスタイルをテーマに広く執筆。趣味は舞台鑑賞。