「子どもは自分でチョイスできない」元Jリーガー・鈴木啓太さんが語る、親が子どもに与えるべき「最大のギフト」とは?

子どもたちの健康で明るい未来のために 親に見直してほしいこと

撮影/大門徹(以下同)
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2000年から2016年の16年間、浦和レッドダイヤモンズに所属し、日本代表として世界でも活躍を見せた元プロサッカー選手の鈴木啓太(すずきけいた)さん。自身の環境と経験から「腸」の大切さを実感し、2015年には「腸内フローラ」を研究するAuB株式会社を設立しました。代表取締役を務め、正しい「腸活」によって人の健康と未来を守る研究・商品開発に取り組んでいます。

現在は14歳と10歳の2人の女の子を育てるパパでもありますが、元アスリートとしての経験が子育ての考え方に多く生かされています。

鈴木さんの幼少期から現在までのお話を伺い、子どもの健やかな成長のためのヒントを探っていきます。(インタビュー全2回)

#1はこちら

子どもの健康のために、「生活習慣」と「食」を見直してほしい

子どもの健康のためにしてあげられることと言ったら、まずは「生活習慣」。親が遅くまで起きていれば、子どもも遅くまで起きている。電気が消えていれば寝る時間だと気づかせられる。親がリズムを作ることは大事だと思います。あとは、人は食べるもので成長していくので、飲むもの、食べるものもとても重要になっていきます。

食べ物の好き嫌いは、うちの子どもたちにも当然ありますが、栄養素を取れているか、取れていないかはきちんと見るべきです。そういった点で言えば、食べてもらえるような工夫をすると良いでしょう。例えばニンジンが嫌いだったら、ミキサーにかけて、子どもにはわからないような味付けにする。うちの奥さんもそういう工夫をしていて、特にスープ系が多いです。子どもも飲んでくれやすいですし、お腹を温めることもできます。簡単に作れるという点でも良いですね。

調理師の母の教え「人間、腸が一番大事」を“子どもの未来”のために伝え続ける

「おなかのためのスープ」は2023年9月4日に発売

一般的には“栄養”が大事だと言われていると思いますが、その栄養を吸収するのは「腸」です。親御さんには「腸内細菌」のバランスが決まっていく2歳~6歳の間に、子どもにしっかり「腸育」してほしいと思っています。大前提として「腸内細菌」というのは多様性であることが大切。そのためにはぜひいろんな種類の食べ物を食べてもらい、いろんな菌をお腹の中に飼ってもらいたいのです。

実はリンゴを餌とする菌もいれば、海藻が好きな菌もいて、海藻ばかりあげていても他の菌にとっては餌にならないこともある。だから栄養学的にも腸内細菌の観点から見ても、さまざまな食材を食べるというのは大切なことなのです。私の家でもいろんなヨーグルトを用意して、毎日違うものを食べています。

正しい食事を与えることも、生活リズムを整えてあげることも、それは結局親が作るもの。それが最大のギフトなのです。子どもは自分でチョイスできません。毎回の食事で、さまざまな食材を使った料理を用意できるのだったらそれが一番ですが、簡単なことではありません。だから私たちの会社はそういうときのサポート役でいようと思っています。

「腸」から健康の土台を作るということを、みなさんにきちんと伝えていくというのは、私にとっての使命で、やるべきことだと思っています。私自身が「人間、腸が一番大事」という母の教えで育って、実際に「腸の大切さ」を実感する場面に何度も遭遇してきましたから。

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