赤ちゃんのギャン泣き〜イヤイヤ期 “怒るより共感”が上手くいく理由
保育・子育てカウンセラー井桁容子さん「ノンストレス育児のススメ」#1〜親のアンガーマネージメント編〜
2021.12.16
保育・子育てカウンセラー井:井桁 容子
イヤイヤ期のない子どもには先々心配もある
一方で、イヤイヤ期(第一次反抗期)がないと言われる子どももいます。そのような子どもは、自分の意思を持っていないということなのでしょうか。
「繊細なタイプの子どもは、自分の表現したことに対して、強く叱られたり親に嫌な顔をされたという経験だったりから、親の言うことにズレを感じても跳ねのけられないことがあります。
イヤイヤ期がないと言われる子どもは、そういった大人の感情に敏感なタイプのお子さんか、あまりこだわりのない超おおらかタイプ。
『イヤ』と言えないことは自分の気持ちがないのと同じなので、こころの成長や人間関係に影響を与えてしまうことがあります。幼いときに思いを抑え込んだり隠したりすることで、自分の気持ちがちゃんと表現できない大人に育つ可能性もある」と井桁さんは懸念します。
「イヤイヤ期の子どもの発言は、例えば『雨が降ってないのに傘をさしたい」『服を裏表逆に着たい」といった、見方によってはかわいいレベルのものが大半。
ですから、子どもがイヤイヤ期に突入したら、自分の意思を伝えられるようになったのだと受け止め、子どものイヤイヤに振り回されるのでなく、意思表示ができたという成長過程の1つだと前向きに捉えることで、ストレスも軽減されるでしょう」(井桁さん)
大切なのは無理に泣き止ませようとしたり、「イヤ」と言わせないために怒ったりすることよりも、その理由をわかろうとしてあげること。子どもが泣く理由やイヤイヤを言う理由を理解することは、結果的に親のストレスをなくすことにもつながっていくのですね。
次回(#2)は、子どもを注意するときの向き合い方についてお話を伺います。
21年12月19日公開予定です(公開日までリンク無効)。
取材・文=柳未央(シーアール)
井桁 容子
保育・子育てカウンセラー。1976年4月から2018年3月まで東京家政大学ナースリールーム主任、東京家政大学非常勤講師として勤務。2018年4月よりフリーとなり、非営利団体コドモノミカタ代表理事、「保育の根っこを考える会」主宰を務める。保育士としての40年以上の経験を生かし、「子育て」をテーマに書籍の執筆やメディアでのコメンテート、講演活動を行う。
保育・子育てカウンセラー。1976年4月から2018年3月まで東京家政大学ナースリールーム主任、東京家政大学非常勤講師として勤務。2018年4月よりフリーとなり、非営利団体コドモノミカタ代表理事、「保育の根っこを考える会」主宰を務める。保育士としての40年以上の経験を生かし、「子育て」をテーマに書籍の執筆やメディアでのコメンテート、講演活動を行う。