子どもに「ネットに法律はないの?」を聞かれたらどう答える 専門家が〔子どもを守る「情報リテラシー」の高め方〕を解説

「世界子どもの日」に「子どもの権利条約」を考える#2 コンプライアンスアドバイザー が子どもをデジタルタトゥーなどから守る「情報リテラシーの高め方」を解説

Q. インターネットの世界に法律はない?

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インターネットは、現実の世界じゃないから法律は関係ないよね?

【A. いいえ、法律違反になりそうなことがいっぱいあるから気をつけて。】

インターネットやゲームにも、現実の世界と同じようにたくさんの法律・ルールがあります。

まず気をつけなければいけないのは、ほかの人が作った絵やイラスト、動画、作文、音楽、自由研究などは「その人のもの」であり、黙って自分のSNSや動画に使ったり、自分が作ったとウソを言ったりすると「著作権法(ちょさくけんほう)」という法律違反になるかもしれません。

図書室にある本や買ってきたマンガも、自分が読むのはいいけれど「面白いからみんなに教えてあげたい!」と本の写真やコピーをネットやSNSでみんなに見られるようにするのはアウト。

ネット上で見かける有名なアニメキャラのイラストやテレビで放送された動画なども「公式サイト」でないものはこの「著作権法」に違反したものが多く、ネットから勝手にコピーしてアップするのもダメなのです。みんなやっているから……は通用しないのです。

ほかの人のIDやパスワードを知ることも勝手に使うのもダメですし、SNSやゲームのチャットでは子どもが狙われる事件もおきています。

ゲームやネットだからこそ知っておかなければいけない、大事な法律もたくさんあることを知っておいてください。

Q.SNSで友だちをぼしゅうしてもいいの?

SNSをきっかけにした「事件」の話をときどき聞くけど、何に気をつければいいの?

【A.「子ども」だと分かることや「友だちがほしい」などと書かないことが安全の第一歩。】

SNSでは、子どもがいろいろな「事件」に巻き込まれることが実際におきています。ネットの世界には「子ども」をねらった悪い人が意外にたくさんいる……ということを知っておいてください。

子ども、とくに小学生など未成年の女の子が SNSに年齢や学年、性別を書いたり「さびしいから誰か話を聞いて」などとコメントしてしまうと、途端にたくさんの人からメッセージやコメントがきてしまいます。

優しそうな人と最初は楽しくやりとりしていても、だんだんエッチな話をしてきたり、悩みを聞くから実際に会おうといわれたり、会ってみたら暴行を受けて心や体に傷をおってしまったり……というように「犯罪」の被害者になってしまうこともあるのです。

ネットで、そのように優しく近づいてくる大人に本当に優しい人はいない! と思っておくほうが、命や体を守ることにつながるのではないでしょうか。

SNSの「友だち」は自動で追加せず会ったことがある人だけにする、自分のIDやQRコードはほかの人に渡したりネットにあげたりしない、知らない人にいいね! やコメントはしない……などルールを決めることも大事だと思います。

書籍『子どもコンプライアンス』(ワニブックス刊)では、個人情報の保護やデジタルタトゥーに関することなど、「SNSで注意したいこと」や「法律を守る」ために親子で知っておきたい考え方を紹介しています。

ほかにも「人を傷つけない」「お金ってなんだろう?」「正しい情報を見分けよう」など、子どもの目線にたった疑問から情報リテラシーを学んでいきましょう。

実際の書籍では、難しい漢字は平仮名で表記しています。また一部には、ルビを付けているので、小学校低学年でも学びながら読むことができます。

第3回の記事では、「お金にまつわる注意したいこと」について解説します。

イラスト/どんぐり。

『子どもコンプライアンス』著:山本 一宗/イラスト:どんぐり。(ワニブックス刊)
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