約7割が希望「男性の育休」 育児・介護休業法改正でここが変わった!

改正育児・介護休業法4月開始! 子育て世代が知っておくべき基礎知識#2〜パパ育休の気になるギモン編〜

社会保険労務士:石井 愛

法律が変わると、職場の雰囲気も変わって育休がとりやすくなる? 契約社員や派遣社員として働くパパも育休がとれる? 育休にまつわる気になる疑問を社会保険労務士が回答。 写真:アフロ
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2021年に大きく改正された育児・介護休業法が、2022年4月からスタートしました。改正後の育児・介護休業法では、2022年4月から育休取得を働きかけることが企業に義務付けられるほか、2022年10月からは育休を分割して取得できるようになります。

今回の改正で、パパ育休はどれだけ取得しやすくなるのか? 確実にパパ育休を取得するために知っておきたいことは――。

子育て世代が押さえておきたい、気になる疑問を社会保険労務士の石井愛さん(よこはまみなと社会保険労務士事務所・所長)に聞きました。

社会保険労務士の石井愛さん(よこはまみなと社会保険労務士事務所・所長)に、詳しい話を伺いました。 Zoom取材にて。

大原則! 企業は育休の申し出を拒めない

今回の改正育児・介護休業法の狙いはズバリ、「パパの育休取得促進」です。住宅メーカー「積水ハウス」(大阪市)がまとめた「男性育休2021」(※1)によると、47都道府県の20代~50代のパパママ9400人のうち、67.3%の男性が「育休を取得したい」、59.8%の女性が「育休を取得させたい」と回答。若い世代だけではなく、全世代が「育休取得に賛成」にシフトしていました。
※1=「男性育休白書2021」(積水ハウス)

一方、法律が改正されても、職場の雰囲気はなかなか変わらないのではないかと心配する声もあります。実際の運用面としては、どうなのでしょうか?

「法律が変わっても、育児休業取得を渋る上司や経営者がまだまだいるのは事実だと思います。ただ、育児休業取得は性別を問わず、労働者に認められた権利です。

育児・介護休業法6条では、労働者から育児休業の申し出があった場合、拒むことができないと法律で決められています。つまり、育児休業の申し出があったにも関わらず、それを認めなかったり、なんとか取得させないように働きかけたりするのは、育児介護休業法第6条に抵触する違反行為となります。

また、経営層が皆、男性の育児休業を敬遠しているかというと、そんなことはありません。仕事柄、経営者の方からさまざまな相談を受けますが、最近増えているのが『社内の若手から育児休業について聞かれたんだけど、どうしたらいい?』というご相談です。

従業員からの相談を温かく受け止め、前向きに取り組んでいこうという経営者の方も多くいらっしゃるので、構え過ぎずに育児休業の希望を申し出てみることをおすすめします」(石井愛・社会保険労務士)

非正規雇用パパの育休取得は労使協定及び雇用契約を要チェック

総務省『労働力調査』(※2)によると、非正規雇用で働く25~34歳男性は78万人、35~44歳男性は57万人います。契約社員や派遣社員など非正規雇用であったとしても、本人が希望すれば、パパ育休をとれるのでしょうか。
※2=総務省『労働力調査』

「今回の改正では雇用形態にかかわらず、育児・介護休業を取得できるよう、有期雇用労働者の育休取得の条件が緩和されました。改正後は『子どもが1歳6ヵ月になるまでの間に契約が満了することが明らかでない』場合には、取得可能となりました。

ただし、労使協定の『育休の申出を拒むことができる従業員』に『入社1年未満の従業員』と記載がある場合など、雇用期間によっては育休を取得できない可能性もあります。

なお、派遣社員の場合は派遣先ではなく、派遣元との雇用契約内容によって決まります。無期契約であれば、要件を満たせば育児休業が取得できますが、有期雇用の場合は労使協定で雇用期間についてどのような要件が定決められているのかを派遣元へ確認しましょう」(石井さん)

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