人気YouTuberの夫 子どもができて“ごはん担当”をやめたワケとは
シリーズ「賢人に学ぶ『家族のごはんがしんどい』から解放されるヒント」#1‐1 性教育YouTuberシオリーヌさんパートナー・つくしさん ~家族ごはんを作らない理由~
2023.06.12
ライター:畑 菜穂子
「料理がしんどい」。家族のごはんを作る際、この言葉が頭をよぎるママパパもいることでしょう。
共働きの既婚男女1350名を対象にした、あるアンケート調査(22年11月一条工務店実施※1)によると、女性がもっとも負担に感じている家事の1位が料理(49.7%)。男性の場合は料理が2位(18.1%)で、1位は「特にない」でした。
料理がしんどいポイントは人によって異なり、答えも1つではありません。そこで、「家族のごはん作り」と向き合ってきた著名人や専門家から「料理のしんどさを軽減する方法」を伺います。
さまざまな解決方法を探りつつ、“料理をしなきゃ呪縛”から、ママパパがラクになれればうれしい限り。
今回登場するのは、助産師で性教育YouTuberとして活躍するシオリーヌさんのパートナーで、YouTubeにもシオリーヌさんと一緒によく登場しているつくしさん。取材時(2023年4月)は育休取得中でした。
※1回目(全3回)
料理が好きで家族のごはん担当に
つくしさんは、2022年夏に第一子が生まれたのを機に育休を取得しました。家事や育児をシオリーヌさんと分担していて、夫婦の食事やお子さんの離乳食など「家族のごはん作り」はつくしさんの担当です。
「もともと料理は好きだった」と話すつくしさん。これまでに作ったごはんの写真を見せてもらったところ、ていねいな盛り付けや器選びなどから、料理を楽しんでいる様子が伝わります。
「食べるのが好きなので、根本にあるのは『こんなにおいしい料理を自分で作ることができるんだ!』という喜びです。人にごはんを作って喜んでもらうのもうれしいです。作っていて楽しいのは、工程が多い分達成感がある揚げ物や調味料をたくさん使う中華料理です」(つくしさん)
つくしさんは実家にいたころ、あまり料理をする機会がなかったものの、バレンタインデーとホワイトデーは別でした。中学生ごろからチョコレートやロールケーキなどの手作りスイーツを同級生たちに渡していたそうです。
作りたいと思っていたスイーツに挑戦したり、手作りスイーツを見て、驚きつつも喜んでくれる同級生たちの顔を見たりするのが何より楽しかったからと言います
増えすぎたタスクを減らすために料理をやめた
「作って食べること」「食べてもらうこと」を楽しんでいたつくしさんですが、現在は料理をお休みしていると言います。理由は2つあるそうです。
「1つは、2022年の夏に子どもが生まれたことです。生活リズムの変化ややるべきタスクが増えたことで余裕がなくなり、ストレスを感じてしまいました。
今年(2023)4月に子どもが保育園に入園したことや、自分の職場復帰に向けた準備なども負担になっています。
家族のごはんが作れないのは、自分の要領が悪いから。詩織(シオリーヌさんの本名)に申し訳ないとしか思えなくて……。
適切な言葉ではないかもしれませんが、当時は料理をするかしないかで、自分で勝手に決めた『自分自身への許され度』の割合が変わるような気がしていたんです。
ある日、詩織から『今、しんどそうじゃない?』と声をかけてもらい、自分が追い込まれていることに気づきました」(つくしさん)
もともとマルチタスクが苦手だというつくしさんが選んだのは、「タスクを増やさないこと」。減らせるタスクを考えたときにあがったのが料理でした。
「もう1つは、家族となごやかに過ごすことを大切にしているからです。今も料理したい気持ちはありますが、それで疲れて家族とギスギスしてしまうくらいなら、作らないほうがいいと思ったのです」(つくしさん)
完璧に割りきれているとは言いがたいものの、料理をしないことで、得られるメリットのほうがずっと大きかったと言います。
「まずは、『今晩の献立どうしよう』と悩まなくてよくなったこと。それから、読書やゲームなど、1日のうちにリフレッシュに使える時間が増えました。タスクが減ったことで、おだやかに過ごせる時間も多くなったと感じます」(つくしさん)
つくしさん自身の変化はもちろん、「時間に余裕ができたことで、詩織と楽しく話せる時間や子どもと一緒に遊べる時間が増えた」と家族との関係にもいい効果をもたらしているそうです。
料理をやめて、つくしさんを取り巻く時間が「しんどい」から「楽しい、おだやか」なものに大きく変わったことがわかります。