「まごわやさしい」魔法のレシピ「お芋の食感を楽しむ」おかず2品とおやつ1品
カンタン・高栄養・完食!#7【芋の「い」】「ホクホク! モチモチ! 芋料理」
2022.12.05
ライター・料理家:越野 美樹
お芋の美味しい食べ方
今回ご紹介している3つのレシピは、水分や油分を加えて、お芋の食感を美味しく引き出す工夫をしています。
お芋が苦手なお子さんは、口の中の水分を持っていかれて、飲み込むのを嫌がることが多いもの。
そういう場合は、ポタージュスープにする、マヨネーズと和える、千切りにしてきんぴらにする、あんかけにする、すりおろしてチヂミにする、ご飯に入れて炊き込む、といった調理法を選びます。
つまり、とろみを加えたり、カリッとした食感にしたりすると、子どもも食べやすくなるのです。
ただ、和風に煮つけた里芋は、子どもにはあまりウケが良くないようです。今回、里芋のレシピはご紹介できませんでしたが、もし里芋の煮物が余ることがあったら、片栗粉をつけて揚げるのもおすすめです。
そのほかにも、里芋はマッシュしてお味噌とごまを混ぜたり、ひき肉とあんかけ煮にしたり、グラタンの具にしたりすると、うちの娘は喜びます。
お芋が苦手なお子さんは、お芋の水分のなさが苦手なのか、シャキシャキの食感が嫌なのか、ホクホク感が嫌いなのか?
お子さんがお芋のどういう食感を苦手と思っているのか、ポイントを探ってみるのもコツ。
これからご紹介するアレンジレシピ2品は、油でカリカリ感を出したり、チーズのとろみを加えたり、りんごで水分を加えたりという工夫をしています。
お芋をそのままシンプルに調理して食べられるお子さんでも、マンネリが続くと残りがちになってくるので、ぜひいろいろと試してみてください。
「長芋チーズボール」のレシピ
蒸した長芋をマッシュして、チーズを包んで揚げ焼きします。チーズはプロセスチーズやカマンベールチーズ、モッツァレラチーズ、クリームチーズなど、どれも合うので、お好みのものを使ってください。
【材料】4人分
長芋 250g
塩 ひとつまみ
片栗粉 大さじ3
お好みのチーズ 50g
菜種油 適量
青のり 適量
塩 ひとつまみ
【お手伝いポイント】
マッシュした長芋の生地でチーズを包み、丸めるのを手伝ってもらいましょう。
【作り方】
1.長芋とお好みのチーズはそれぞれ1cm角に切る。
2.鍋に長芋と水100ml(分量外)、塩ひとつまみを入れて中火にかける。沸騰したらフタをして弱火にし、5分ほど火にかける。
3.水気が残っていたらフタを開けて中火にし、木べらなどで混ぜながら水分を飛ばす。
4.マッシャーや木べらなどでつぶす。
5.粗熱がとれたら片栗粉を入れて、手でよく混ぜる。
6.8等分ずつ手にとって真ん中にお好みのチーズを入れ、丸める。
7.フライパンを中弱火にかけて菜種油を入れてフタをし、狐色になるまで焼く。裏面も同じように焼く。
8.青のりと塩をふる。
長芋はすぐに火が通るので、5分ほど火に入れればマッシュできます。少し時間がかかりますが、じゃがいもや里芋、さつまいもでも同じように作れます。
「さつまいもとりんごの簡単スイートポテト」のレシピ
さつまいもとりんごを煮て丸め、オーブンで焼いた簡単おやつ。りんごとさつまいもの甘みを生かしたスイーツです。
【材料】2人分
さつまいも 300g
りんご 1/2個
塩 ひとつまみ
菜種油 20g
卵黄 1個分
【お手伝いポイント】
お芋とりんごをマッシュし、成形するのを手伝ってもらいましょう。
【作り方】
1. さつまいもとりんごは皮をむいてそれぞれ1cm角に切る。さつまいもは2〜3分水にさらしてからザルにあげておく。りんごは2〜3分濃いめの塩水(分量外)につけてからザルにあげておく。
2.鍋に1と水100ml(分量外)と塩ひとつまみを入れて中火にかける。沸騰したらフタをして弱火にし、10分ほど火にかける。
3.水気が残っていたらフタを開けて中火にし、木べらなどで混ぜながら水分を飛ばす。
4.マッシャーやフォークでつぶし、粗熱がとれたら菜種油、溶いた卵黄の半量を加えてよく混ぜる。
5.なまこ型に整形し、残りの卵黄を刷毛やスプーンの裏などで表面に塗る。
6.200℃のオーブンで20分焼く。
もっと甘みが欲しい方は、3で適量のお砂糖を加えてください。
まごわやさしい食材に小さい頃から親しむ
「まごわやさしい」シリーズ、いかがでしたか?
まめ、ごま、わかめ、やさい、さかな、しいたけ、いも。
日本で昔から食べられてきた、体に優しいエネルギーをいただける食材たちです。
食材として使うのは面倒! お肉の方が喜んで食べてくれる!という気持ちもわかります。
「まごわやさしい」食材を食卓に取り入れるには、お子さんをお手伝いに誘うのがポイント!
苦手な食材に触れることで親しみが湧きますし、お子さんと一緒に過ごすことで、子どもの心も落ち着くことと思います。遊びに飽きたお子さんが近くに来た時がチャンス。ちょっと誘ってみるなど、きっかけを作ってみましょう。
「まごわやさしい」食材は、少し手がかかる食材だからこそ、お子さんと楽しくゆっくりお料理する時間が作れる、という効果もあります。
我が家では、娘が1歳の時からお手伝いをしていて、いろいろな料理のおいしさに目覚め、今では小さなシェフ。
子どもが小さな頃は、家事をすることが本当に大変ですが、そのうちに子どもが助けてくれるようになりますよ。
それには、小さい頃からの仕込みが大切!
一緒にいろいろな食材に触れることで、子どもは豊かな舌を持つようになり、食材の本当の美味しさを感じることができるようにもなります。
「まごわやさしい」を使ったお料理をぜひ、お子さんと一緒に作ってみてください。
次の連載は、「もったいない」からはじまる台所仕事を予定しています。
お楽しみに!
越野 美樹
1歳より新宿育ち。大手証券会社就職後、編集プロダクション・出版社勤務、約20年の惣菜店経営と料理教室講師を経て、2016年より新鮮で美味しい野菜が身近にある田舎暮らし。不器用ながら、食べたいものはなんでも手作りがモットー。instagramでは、基本調味料で野菜の美味しさを引き出す「平日のわっぱ弁当&週末のおうちごはん」を投稿しています。趣味は美味しいものを食べることと、ピアノを弾くこと。 ●fujinoniji 藤野料理教室にじHP ●Nadiaレシピルーム ●Facebook
1歳より新宿育ち。大手証券会社就職後、編集プロダクション・出版社勤務、約20年の惣菜店経営と料理教室講師を経て、2016年より新鮮で美味しい野菜が身近にある田舎暮らし。不器用ながら、食べたいものはなんでも手作りがモットー。instagramでは、基本調味料で野菜の美味しさを引き出す「平日のわっぱ弁当&週末のおうちごはん」を投稿しています。趣味は美味しいものを食べることと、ピアノを弾くこと。 ●fujinoniji 藤野料理教室にじHP ●Nadiaレシピルーム ●Facebook