子どもごはんの悩み 第4の食事「おやつ」を一緒に作って好き嫌い克服
人気料理研究家・浜内千波の「子どもを育てるごはんレッスン!」(第6回 子どもと一緒に作るおやつ編)
2022.01.08
料理研究家・栄養士:浜内 千波
幼児期の食事は、食生活の基礎を作るとても重要な期間です。けれど、好き嫌いがあったり、食べる量に個人差があったりと大変な時期でもあります。
また、子どもの肥満も心配。ほうっておくと大人になって生活習慣病になるリスクが高くなる可能性もあります。
幼児期に必要な栄養素とそのレシピ、苦手なものへの対応、そして大人になっても生活習慣病にならないための方法などを料理研究家の浜内千波さんに6回に渡って伝授していただきます。
最終回のレシピは子どもと一緒に作るおやつ2品を紹介します。
おやつは第4の食事
幼児期は食事同様、おやつも重要です。幼児の胃の大きさは大人の1/3くらいと言われ、一度にたくさん食べられません。3度の食事で不足している栄養素や摂取できなかった栄養を補給するためにおやつが必要なのです。
幼児期のおやつは、いわば第4の食事と言えます。
「幼児期のおやつは栄養を補うことが優先ですが、ほかにも、動きまわって消費したエネルギーの補給や大人と同じように心身のリフレッシュなどの意味があります。1度に食べさせる分量は体格や運動量、食事の量によって異なりますが、1日に必要な総エネルギー量の10~20%が目安です」(浜内千波さん)
炭水化物やたんぱく質、カルシウムを含んでいるものを
1日に10時と15時の2回に食べさせるのが基本と言われています。昼食や夕食が食べられなくなるのは本末転倒なので分量、時間共に気をつけましょう。
また、欲しがるままに与えたり、油や糖分が過度に含まれているものばかりだと、肥満や虫歯になる可能性もあるので注意が必要です。
では、理想的なおやつはどのようなものなのでしょうか?
「幼児期に優先的に摂取してほしい炭水化物やたんぱく質、カルシウムを含んでいるものがいいですね。炭水化物は脳のエネルギー源になりますし、たんぱく質は体のエネルギー源になります。カルシウムは骨を丈夫にしますので、食事だけでは足りないな、と感じたら、これらの栄養素が摂取できるおやつにするといいですね」(浜内さん)
一緒に作ってみましょう
おやつを手作りするのはハードルが高いと思うかもしれませんが、手作りのおやつなら、原材料がわかっているので安心です。特にアレルギーなどがある場合はそれを考慮したものが作れます。
また、親と一緒に作りたいと思っている子どもが多いのです。
「食事の手伝いは無理でも、おやつなら手伝ってもらいやすいと思います。たとえば、お団子を一緒に丸める、クッキーの型抜きをする、材料をこねてもらうなど子どもが無理なく楽しみながら、できることを一緒にやるといいですね。手伝ってくれたことをほめると、子どもの中に責任感と達成感が生まれると思います」(浜内さん)
一緒のおやつ作りは好き嫌い克服のチャンス
そして一緒に作ったものを一緒に食べれば、コミュニケーションも取れますし、好き嫌い克服のチャンスでもあるそうです。
「たとえば、にんじんが苦手だったら、にんじんを使ったケーキやクッキーを一緒に作ってみましょう。自分で作ったものは愛着が出るので喜んで食べますよ。おやつで食べられたら、今度はおかずに取り入れてみましょう。『にんじんは甘くておいしかった』という記憶があるので、徐々に食べられるようになります」(浜内さん)
時間に余裕があるときは、ぜひ一緒に作ってみてください。後々、すすんでお手伝いすることにもきっとつながるはずです。
豆腐団子
【材料】(15~20個分)
もち粉…100g
豆腐(絹ごし)…100g
サラダ油…小さじ1~
炒りごま(白)…適量
[たれ]
しょうゆ…大さじ1/2強
砂糖…小さじ1強
水…大さじ1
作り方
1 ボウルにもち粉と豆腐を入れ、まとまるまでしっかりこね合わせる。15~20等分にし、一口大に丸め、軽くつぶして平らにする。
2 鍋に湯を沸かし、1の団子を入れ、浮いてくるまでゆでて水に取り、水気をきる。
3 フライパンを中火で温め、サラダ油をしき、2の団子を焼き目がつくまで両面焼いて取り出す。
4 たれの材料を合わせ、3の団子にまんべんなくかけ、全体にからめる。
5 器に盛り、ごまをのせる。
牛乳ゼリー
材料(4人分)
牛乳…600㏄
ゼラチン…6g
砂糖…30g
1 鍋に材料をすべて入れ、中火弱でゼラチンが溶けるまで火にかける。
2 器に注ぎ入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
取材・文:須藤桃子 撮影:松本祥孝
浜内 千波
栄養士。大学卒業後、証券会社を経て岡松料理研究所へ入所。ファミリークッキングスクールを開校し、料理教室を主宰すると共に、食ビジネス全般において、メニュー開発などプロデュースを手掛ける。近年は、食育分野にも力を入れ、レシピ開発や給食従事者への指導に携わっている。 Twitterにて、毎朝のごはんをご紹介している。Twitter:
栄養士。大学卒業後、証券会社を経て岡松料理研究所へ入所。ファミリークッキングスクールを開校し、料理教室を主宰すると共に、食ビジネス全般において、メニュー開発などプロデュースを手掛ける。近年は、食育分野にも力を入れ、レシピ開発や給食従事者への指導に携わっている。 Twitterにて、毎朝のごはんをご紹介している。Twitter: