「勉強を教えない塾」がメディアで超話題 「探究学舎」の驚きのカリキュラムとは オンライン授業を「親子が初体験」
【今こそ学力観のアップデートをするとき】好奇心の種をまく探究学舎の学び#2 オンラインコース・参加ルポ
2024.07.02
「子どもたちに驚きと感動の種をまく」をキーワードに、オンラインや通塾で授業を展開する探究学舎。
メディアでも度々紹介されている授業の様子は、多くの人が想像する「勉強」や「学習」とは大きく異なります。子どもたちは常に積極的に参加し、授業が終わっても質問を続けるなど、興味や疑問が途切れることなく湧き上がってくる姿が見られます。
果たして、それはどんな授業なのでしょうか。
探究学舎講師で公立小学校の非常勤講師も務める森田太郎氏に話をうかがうとともに、実際にライターが娘(当時小学校3年生)と一緒にオンライン講座に参加。体験した授業をレポートします。
※全5回の第2回、#1を読む。
【探究学舎】
「探究学舎」は2005年に設立。独自に設計された「子どもが夢中になる授業」が評判を呼ぶ。以来、オリジナルの授業は80種類を超え、2023年の総受講者数は約1万人を数える。国語や理科など、学校の勉強を教えない独特のカリキュラムが注目を集め、「情熱大陸」(代表の宝槻泰伸氏出演)、「世界一受けたい授業」(カタチの秘密や科学実験を紹介)などメディア露出も急増中の話題の「塾」。
【探究学舎講師 森田太郎氏】
森田氏は2006年から都内の小学校に教諭として13年勤務したのちに、2019年に探究学舎講師へと転身。「海のいきもの」や「植物」の授業が評判。現在は公立小学校の非常勤講師でもある。「探究学舎講師」「公立小学校の非常勤講師」「4児の父親」という立場から、子どもの興味や関心を引き出すための考え方や行動について語っていただいた。
【好奇心の種をまく探究学舎の学び:第1回 第3回 第4回 第5回を読む】
※公開日までリンク無効
子どもたちが遊びにくる塾!?
探究学舎の授業を受講している子どもたちは、その内容を問わず、みんなとても楽しそうです。たくさんの子どもが我先にと手を挙げ、前のめりで授業を受けます。その理由を、森田氏はこう解説します。
「探究学舎の授業は、先生の話を聞いて、黒板の内容を写して……というものではないんです。クイズやゲームをしながら、『なんで?』『もっと知りたい』と感じる問いを重ねていきます。だから、子どもたちはその先の展開を知りたくて、自然と積極的になるんです。
それに、探究学舎では何かを覚えてテストする、宿題が出るといったことは一切ありません。参加する子どもたちへのプレッシャーがないんです。『今日は探究学舎だけど宿題終わったの?』なんて聞く必要もないので、子どもだけでなく親も追い込まれないですみますよね。
探究学舎は『子どもたちが楽しむ場所』という大前提があり、そのための環境が整っています。そういう意味では、学校や塾とは少し異なるかもしれません。子どもたちは、探究学舎に『遊びにくる感覚』なんだと思います。遊びに遊んだあと、授業後は学んだ気持ちになっている。そんな感じでしょうか(笑)」(森田氏)
探究学舎では、扱っているテーマも独特です。「国語」「算数」「理科」といった教科ではなく、宇宙、元素、歴史、経済、アートなど、より具体的な内容について、知識や事実の背景にあるストーリーを通して、楽しみながら学んでいきます。
オンラインコースの内容は?
探究学舎の授業は、オンラインコースと通塾コース、2日間の短期集中型リアル講座(探究スペシャル)などがあります。どのコースも人気がありますが、オンラインは全国どこからでも参加できるため、たくさんの子どもたちが受講しています。
ちなみにオンラインコースは「広げるコース」と「深めるコース」の2種類が用意されており、ともに週1回60分のプログラムです。
【広げるコース】
●対象:
いろいろなことに興味がある、さまざまな内容を知って可能性を広げたい子ども向け
●特徴:
2ヵ月ごとにテーマが変わり、文字どおり「広い世界」に触れることができる
【深めるコース】
●対象:
好きなテーマが決まっている、特定の分野を極めたい子ども向け
●特徴:
一つのテーマを6ヵ月間かけてじっくりと学び、丁寧に深める授業
ホームページなどで紹介されているオンライン授業では、ホワイトボードやジェスチャーなどを交えて、子どもたちが積極的に参加している姿が紹介されています。しかし、いくら双方向型プログラムであっても、オンラインでそこまで盛り上がり、集中できるものなのでしょうか。
その真偽を確かめるべく、ライターが娘とともに、オンライン授業の広げるコース「物理実験」の第1回を受講。ここからはその様子をレポートします。