子どもの便秘 “排便外来”の専門医が教える排便日誌・声かけ・受診の目安

小児外科医・中野美和子先生に聞く「子どもの便秘」#2子どもの便秘はどう治す?

小児外科医:中野 美和子

綿棒での刺激はあまり効果がない

実際に病院で受診してからは、どんな治療を受けていくのでしょうか。

「便が詰まっている場合は浣腸です。

また、便が肛門から見えているけど出せない。綿棒で刺激しても出ない、というように、どうしても出ない場合は、“摘便”と言って、指で詰まっている便の先を掻き出してから浣腸をして出します。

綿棒刺激は、離乳食が始まる前の乳児で便が緩い時には効くことがあります。しかし、その時期に綿棒刺激で頑張って出そうとするくらいなら、市販の5ccくらいの浣腸を自宅で使ってもいいでしょう。
2~3日に一度くらい使ってみて、溜めないようにすることが大事です。

肛門近くに溜まっている便を出すことによって、大腸全体の便の流れが良くなります。

流れが良くなれば、腸内フローラの善玉菌も悪玉菌のバランスもおそらく改善していくでしょう。市販の浣腸を使うのが不安なら、病院で処置してもらってください。

さらに重症になると、腸洗浄が必要になったり、さらには入院したりするケースも。

以前、入院治療をしたお子さんで、溜まっていた便が1キロくらい出た子がいたんです。

毎日、出したくでも出せない状態を繰り返していて、お子さんは顔つきも暗くて、うつむいていましたし、お父さん、お母さんも対応に疲れ果てていました」

大きな声を出して、思いっきり遊ぶことも効果的!

思い切り遊んで大声を出すことが便秘改善に効果的。  写真;アフロ

便秘の解消に効く運動や、体操などはあるのでしょうか。

「子どもの便秘は、肛門のすぐそばの直腸に溜まるので、お腹に刺激を加えると出ることはあります。

仙骨、肛門の周り、骨盤低筋群を刺激するジャンプのような動作や、身体をねじる動きなどは腸の動きを促してくれるとは思います。

ただ、全部スッキリは出せないので、“これが便秘に効きます”というよりも、“多少は解消されるかな?”というぐらいです。

小さなお子さんの場合は、体操というよりも大声で走り回っていれば便秘になりにくいんです。

思いっきり遊んで、大声を出すと、横隔膜をしっかり使います。横隔膜は、排便の息む動作のときに大きな働きをするので、便秘改善には効果的なんですよ。

便秘を改善するためにも、思いっきり遊んで大声を出して、大いに遊んでください。

そして、子どもが便秘かな? と気になったら、遠慮せず医療機関へ。

溜まっている便を一度出すと流れがよくなり、お子さんも楽になりますし、親御さんにも余裕が生まれます。排便の流れを良くして、それから食生活や生活習慣を改善していきましょう」(中野先生)

第3回では、便秘をどう予防するか。子どもの「腸活」の必要性について教えていただきます。

取材・文/石本真樹

※小児外科医・中野美和子先生に聞く「子どもの便秘」は全3回。
次回(#3​)は、21年12月26日公開予定です。(公開日までリンク無効)。

『赤ちゃんからはじまる便秘問題〈第3版・改訂増補〉』言叢社
http://gensousha.sakura.ne.jp/youiku-hukushi/benpi-mondai.html
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なかの みわこ

中野 美和子

小児外科医

慶応義塾大学病院、国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)さいたま市立病院小児外科部長(現在は非常勤)を経て、現在、神戸学園理事・...