
防災グッズ収納の3つのコツ
防災グッズをそろえたいけれど、家に置く場所がない……。そんな悩みを持つ方に向け、長柴さんは、かさばる防災グッズをうまく収納するコツを3つ紹介してくれました。
「1つ目のコツは、いくつかの場所に分散して収納することです。防災備蓄品は1ヵ所にまとめて置かなくてOKです。むしろ、リビングや寝室、子ども部屋など、家の中の複数の場所に分散して収納しておいたほうが、被災時のリスクを減らせます」(長柴さん)
2つ目は、節句人形や扇風機など、上に物を重ねて置くことができない季節の物は、その下に収納ケースを置くこと。ケースの中に備蓄品を収納できるのはもちろん、デッドスペースになりがちな空間の上部分も活用できます。

3つ目は、兼用できるアイテムを使うことです。複数の用途で使えるので、物を減らすことにつながります。
「たとえば私は、ライト付きの時計を普段から愛用しています。時計としてはもちろん、停電したときのランタンとしても使えます。ただし、兼用アイテムも日常的に使わなければ、結果的に“スペースのムダ使い”になってしまうので注意しましょう。
詳しくは後述しますが、新たに物を買うときには『なぜそれを持つのか』『本当に使うのか』をきちんと考えることも忘れないでください。

もしくは、新しく購入しなくても、すでに持っている物を兼用するという手もあります。自転車用のヘルメットを防災用として使うなどがその例です。自転車に乗った後、毎回、自宅内の保管場所に置くだけなので、管理もそこまで大変ではありません。
ただし、普段使いしているリュックを防災リュックとしても使うといった兼用は避けてください。いちいち中身を入れ替えるのは現実的ではありません」(長柴さん)
「収納のための収納」は逆効果
収納スペースをうまく使うために、収納グッズを使って細かいものをさらに細かく分ける方法は勧められないと長柴さんは言います。収納のための収納グッズとは、たとえば「大人用のカトラリーを入れるケース」「子ども用のカトラリーを入れるケース」などです。
「仕切りとしては役立ちますが、その分、スペースが余分にとられてしまいます。また、防災グッズの収納に見た目の美しさは必要ありません。細かく分類せず、ある程度、大きさのあるケースにまとめて入れるのがいいでしょう」(長柴さん)