【脳出血で入院4ヵ月】 働く2児ママが「社会復帰」に向け料理・運転・仕事の復活へ
脳出血で緊急入院!【萩原はるな:ワンオペママの闘病記】#5 ~退院後の生活に向けての準備編~
2022.06.13
ライター:萩原 はるな
久しぶりの外の世界にすっかり浦島太郎気分
そんなこんなで、いよいよ退院の日が近づいてきた。
11月半ばから「病院内なら、杖を使って一人で歩いてもいいですよ」と許可を得ていた私は、失われた筋力と体力を回復させるべく、暇を見ては廊下で歩行訓練を繰り返した。
その結果、1日で7000歩を達成した日も! とはいえ、すぐに疲れて昼寝をしてしまうのだった。
なにせ、3ヵ月以上も車イス生活をしていた私。右足は筋肉が落ちて細~くなってしまったし、右のお尻もぺちゃんこ。全体的に筋力が落ち、体力だってガタ落ちだ。
病室内で「もうちょっと右足を上げないとな」「いや、問題は足の滞空時間では……?」「また、右手が緊張して上がってる!」などと、ブツブツ呟きながら歩き回る私は、さぞかし怪しかったことだろう。
12月に入ったばかりのころ、退院前のトレーニングとして、「病院から駅までの道を杖で歩く」というリハビリがあった。その日は、朝からソワソワ。なぜなら、途中のコンビニで買い物ができるというのだ。
数ヵ月足も遠ざかっているコンビニ……、さぞかしいろんな新商品が並んでいるに違いない!
鼻息も荒く出かけた5ヵ月ぶりの外だったが、帰るころには疲労困憊。段差は多いし、道は凸凹だし、自転車や歩行者がビュンビュン(と私には思えた)通り過ぎていくし……。
ゆっくり歩いているように見えるおばさまもけっこう歩行速度が速く、どんなに頑張っても追いつけなかったのはショックだった。
歩行だけではない。退院したら、入院中のように座ればご飯が出てくるわけではなく、それどころか子どもたちの食事を用意しなければならないのだ。「大丈夫、家族みんなで手伝うから」と夫からは言われているけれど……。
自分のことだけ考えていればよかった入院生活とは違い、さまざまな人との関わりも復活し、やらなければならないことも山積みだ。
家に帰れるのは心底うれしい。だけど、どこまで私にできるのか……。
期待と不安を抱えるうちに、退院の日は目前に迫ってきていた。
〈つづく〉
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萩原 はるな
情報誌『TOKYO★1週間』の創刊スタッフとして参加後、フリーのエディター・ライターとなる。現在は書籍とムックの編集及び執筆、女性誌やグルメ誌などで、グルメ、恋愛&結婚、美容、生活実用、インタビュー記事のライティング、ノベライズなどを手がける。主な著作は『50回目のファーストキス』『ハピゴラッキョ!』など。長女(2009年生まれ)、長男(2012年生まれ)のママ。
情報誌『TOKYO★1週間』の創刊スタッフとして参加後、フリーのエディター・ライターとなる。現在は書籍とムックの編集及び執筆、女性誌やグルメ誌などで、グルメ、恋愛&結婚、美容、生活実用、インタビュー記事のライティング、ノベライズなどを手がける。主な著作は『50回目のファーストキス』『ハピゴラッキョ!』など。長女(2009年生まれ)、長男(2012年生まれ)のママ。