“痛くない”インフルエンザワクチン「フルミスト」とは? 鼻から投与する生ワクチンを小児科医が解説

2024年導入の新インフルエンザワクチン「フルミスト」を小児科医が解説 (3/4) 1ページ目に戻る

新生児科医・小児科医:今西 洋介

フルミストの副反応は? 風邪に似た症状や喘息悪化のリスク

写真:maroke/イメージマート
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──副反応についても教えてください。

今西先生:主な副反応は、接種後に起こる風邪のような症状です。鼻の粘膜に弱毒化したウイルスを投与するため、くしゃみ、鼻水、咳、のどの痛みといった軽い症状が約半数でみられるといわれています。まれに発熱や頭痛、倦怠感が出ることもあります。

また、もともと喘息のある人では、症状が悪化することがあります。非常にまれですが、蕁麻疹やアナフィラキシーショックなどの重いアレルギー反応が起こる可能性もあります。

接種できない人・注意が必要なケースは?

──接種できないのはどのような人ですか?

今西先生:接種できないのは、主に次のような人です。

接種できない人
・免疫不全などで免疫機能が低下している人
・2歳未満、19歳以上の人
・妊娠中の人

今西先生:喘息の持病がある場合は、接種できないわけではありませんが注意が必要です。直近の数ヵ月で発作が起きていないなど、症状がコントロールできている場合のみ、かかりつけ医と相談のうえで検討してよいと思います。

また、慢性的な鼻づまりがある人も注意が必要です。鼻から吸入するワクチンのため、鼻づまりがひどいと十分な効果が得られないことがあります。花粉症や一時的な鼻炎程度であればあまり心配はいりませんが、できれば鼻づまりが解消されてから接種するのがいいでしょう。

──接種を控えたほうがいいタイミングはありますか?

今西先生:副反応として風邪のような症状が出ることがあるため、試合や発表会などの大切な予定の直前は避けたほうがいいでしょう。接種後は激しい運動を控えたほうが安心ですが、入浴は普段どおりで構いません。

──費用面についてはどうでしょうか。

今西先生:クリニックによって異なりますが、フルミストは1回あたりおよそ8,000~9,000円ほどかかります。注射型ワクチンが3,000~4,000円程度なのと比べると、やや高めです。

ただし、自治体によっては補助金や助成制度がある場合もあります。お住まいの自治体の制度を確認してみてください。

子どもの性格や発達の状況を踏まえてどちらを接種するか検討を

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