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お金の話は小学3~4年生から
──子どもにお金の話を始める時期は、いつごろがよいのでしょうか?
横山さん:小学校3~4年生くらいになると理解できるようになると思います。それ以前でもお金の話はしていいと思いますが、まだ難しくて少しポカンとしてしまうかもしれません。
気を付けたいのは、子どもの前で話をする際は、雰囲気づくりを意識してほしいですね。これは聞いた話ですが、ある家庭では「家計について話し合いたいから集まって」と暗い表情で切り出したところ、子どもが「うちの家計はやばいのかなと」不安に思ってしまったそうです。
その結果、それまで何気なく行っていた回転寿司での外食でも、子どもが親に遠慮して食べなくなってしまったとのこと。お金の話は「明るく話をする」というのが、実は大切なんです。
私たちの家庭では「今月の収支報告をするよ」「これだけ貯まったぞ!」など、前向きな話題として家計を共有することを心がけています。そうすることで、子どもたちも不安を感じることなく自然とお金について考えられるようになると思います。
子どもも家計を共に考える大切なパートナー
──一方で、「子どもが外で他人に家計の話をしてしまうのではないか」という懸念もありそうですが。
横山さん:私たちの家庭では子どもたちも「大事なパートナー」として信頼しています。会社で言えば、大事な社員のような存在です。
たとえ子どもでも「立派な大人」として接して、信頼を前提に家計の状況を共有しているため、外で「うちにはこれくらいの資産がある」などと、軽率に話すことはないと考えています。むしろ、そのような行為は「ダサイ」「おかしい」と自然に感じているのではないでしょうか。
そして、こういったかかわりを通じて、子どもたちは自然と金銭感覚を身につけていると感じます。
決して無駄遣いしないというわけではありませんが、「かけたいところに、お金をかける」「同じものなら安いところで買おう」といった意識が育ち、お金の使い方を自然と考えられるようになっていると思います。
冒頭でお話をしたとおり、子育ての中ではさまざまな想定外の出費が必要になることがあります。
しかし、それは決して親だけで抱え込む必要はないと私は考えています。子どもを交えて家族でお金について話し合える関係を築いていく。そうすることで、お金の問題も家族で乗り越えていけるのではないかと思います。
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人生は計画どおりにはいかない──。だからといって何も準備をしないわけにはいきません。想定外の出来事に備え、柔軟に対応できる基盤を整えておくこと。
そして、選択肢を広げるために、日本ではタブー視されがちなお金の話も家族全員で話し合い、協力し合える環境づくりがこれからの家計のあり方だと感じました。
取材・文/山田優子
(全2回の後編。前編を読む)
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山田 優子
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
横山 光昭
家計再生コンサルタント 株式会社マイエフピー代表取締役。 1971年北海道生まれ。1999年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。2001年、札幌で横山エフピー事務所を開業。2008年、株式会社マイエフピー設立。2009年には「年収200万円からの貯金生活宣言」を出版し、ベストセラーに。2013年、拠点を東京都に移す。 お金の使い方そのものを改善する独自の家計プログラムで、問題の抜本的な解決や確実な再生を目指し、個別相談・指導には高い評価を得ている。 これまでの相談件数は、2万6000件を突破。著書は181冊、累計発行部数は397万部。テレビやラジオなどの出演も多数。 主な著書に『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)、『50代でも間に合う新NISAとiDeCo』(ワン・パブリッシング)、『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』(東京ニュース通信社)、『知識ゼロですが、新NISAとiDeCoをはじめたいです。』(インプレス)など。 株式会社マイエフピー https://myfp.jp/ オフィシャルブログ https://ameblo.jp/myfpyokoyama/
家計再生コンサルタント 株式会社マイエフピー代表取締役。 1971年北海道生まれ。1999年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。2001年、札幌で横山エフピー事務所を開業。2008年、株式会社マイエフピー設立。2009年には「年収200万円からの貯金生活宣言」を出版し、ベストセラーに。2013年、拠点を東京都に移す。 お金の使い方そのものを改善する独自の家計プログラムで、問題の抜本的な解決や確実な再生を目指し、個別相談・指導には高い評価を得ている。 これまでの相談件数は、2万6000件を突破。著書は181冊、累計発行部数は397万部。テレビやラジオなどの出演も多数。 主な著書に『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)、『50代でも間に合う新NISAとiDeCo』(ワン・パブリッシング)、『収入減でも家計がラクになる貯蓄術 貯金は「夫婦の会話」で9割決まる!』(東京ニュース通信社)、『知識ゼロですが、新NISAとiDeCoをはじめたいです。』(インプレス)など。 株式会社マイエフピー https://myfp.jp/ オフィシャルブログ https://ameblo.jp/myfpyokoyama/