全国御礼行脚の旅へ!
毎日、ぬいぐるみの声をきいて元気づけられているという、タレントの江口ともみさん。ぬいぐるみの大切さに、より気づかされた経験があるそうです。(全3回目の2回目)
「子どもをさがしています。」
──もぐたろうとは、悲しい別れがあったと聞きました。
あるとき、新幹線の中で、ぬいぐるみの「もぐたろう」を置き忘れてしまったことがあったんです。警察やJRに問い合わせても見つかりませんでした。辛くて、悲しくて、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。泣いて泣いて泣いて、どうにかなってしまうんじゃないかと周囲が心配したと、後から聞きました。
ブログで「子どもをさがしています」と呼びかけると、北海道から九州まで多くの方が「もぐたろう捜索隊」に手をあげてくれたんです。そうしたら、たくさんの方が「探しています」というチラシを配ってくれたんです。ぬいぐるみを愛する人がこんなにいるんだと励まされました。
「今日もチラシを配ってきました」
「もぐたろうを探しに、こことここを歩いてきました」
「新幹線の駅で探してきました」
「息子が駅に行くたびに、もぐたろうが届いていないか駅員さんに聞いています」
といったあたたかい声をたくさん寄せてもらいました。メールを下さった方には、全員お返事をしました。
54日目に見つかりました。53日間の辛くて申し訳ない毎日は、ぬいぐるみを愛してくれている人からのメールで、たくさん励ましてもらいました。
「ぬいぐるみぐらいのことで何を大騒ぎしているんだ」という声は、ほとんどありませんでした。
ブログでニュースになったことをみた「有吉反省会」という番組でも呼びかけてくれたところ、もぐたろうが事務所に送られてきたんです! 53日間も見つからなかったのに、見つかるなんて日本って素晴らしい! と思いました。Twitterなどでも「日本は捨てたもんじゃない!」って話題になりました。
みんなが、無事に帰ってきてくれたことを、お祝いしてくれました。
助けてくださった「もぐたろう捜索隊」の皆様に、「面と向かって御礼をお伝えしたい!」と思いました。元気なもぐたろうを、会わせなきゃって思いました。そこから夫婦で、北海道から九州までの全国御礼行脚の旅、もぐたろう捜索隊御礼旅がはじまりました。
「地方に飛行機代や新幹線代をかけていくのは大変じゃないの」「変な人だったらどうするの」と心配してくれる人がいましたが、私たち夫婦は全く気にしませんでした。
お会いした人がみんな、ほんっとにいい人ばかりで、「もぐたろうが、いいご縁をくれたなあ」と思っています。いまコロナで御礼の旅が中断していますが、あと二人で皆様に御礼を伝え終わります。
もぐたろうを通じて、ご縁がどんどん広がっている
ぬい友(ぬいぐるみの友だち)とは、インスタグラムだったり、お会いしてお茶したりして、いいお付き合いをさせて頂いています。ぬいぐるみを連れてどこに行ったとか、こんな写真を撮ったとか、ぬい友さんとの交流は、本当に楽しいです。
最初は、夫婦だけでぬいぐるみを楽しんでいたんです。でもインスタグラムをはじめて広がっていったぬい友との交流は、もぐたろうのおかげで、どんどん広がっています。
夫婦の絆を強くしてくれる
ぬいぐるみは、夫婦の絆も強くしてくれると感じています。
旦那のつまみ枝豆は、子どもたちの洋服をつくってくれています。写真もきちんと「子どもたち」フォルダに入れて、わけているんですよ。枝豆だけに「まめ」なんです。笑。
旦那は、「この子たちがいるから助かっているよな」といいます。二人で遊ぶびに行くのはもちとろん楽しいけれど、ぬいぐるみたちを連れて行くと、笑いも増えて、もっと楽しいんですよ。
ぬいぐるみが夫婦の会話のクッションになっています。旦那にお願いしにくいことも、ぬいぐるみをかいして伝えることもありますね。例えば、もぐたろうに、旦那にこう言ってもらうようにお願いします。
「ねえねえ、とおさん。かあさんがお皿洗ってくれないかなって言ってたよ。あとでかあさんがやればいいと思うんだけどねぇ・・・。」
言われたとおさん(つまみ枝豆)は、「わかったよぉ、とおさんやるよぉ」ってキッチンに向かいました(笑)。
「うちは、わんこやにゃんこがいるから夫婦仲がいいんですよ」と仰る方がいますが、ぬいぐるみも同じような役割をになってくれていると思います。
このスヌーピーのスヌオは48歳で、5歳からずっと一緒なんです。母がプレゼントしてくれました。愛されすぎて、もうお鼻がなくなっています。首もだるんだるんになったので、母が縫ってくれました。結婚する直前に旦那が贈ってくれた、このくまの「くまごろう」と一緒に、スヌオは、いつもリビングで私を見守ってくれています。
次回は、ぬいぐるみとのケアと「ぬいぐるみ診療所」について、お聞きしていきます!
第3回は、5月2日に掲載予定です。
第3回タレント江口ともみさん「生命ある存在」であるぬいぐるみ
『りりかさんのぬいぐるみ診療所』シリーズ 作・かんのゆうこ 絵・北見葉胡 1 空色のルリエル 2 わたしのねこちゃん
ぬいぐるみが好きな人、好きだった人、これから好きになる人におくる「ぬいぐるみ」をめぐる「愛」と「信頼」の物語
●あらすじ●
りりかさんは、ぬいぐるみが大好き!高原でぬいぐるみを治す「りりかぬいぐるみ診療所」をひらきました。りりかさんは、ぬいぐるみを治すだけでなく、ヒミツの力をもっているのです……。──ぬいぐるみと持ち主の心に「魔法」をかける物語。
1巻の試し読みは、こちら
児童図書編集チーム
講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR
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